ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)
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文化的影響
洋楽カバーのアイドル歌謡として発売されたが、元の曲がユーロビートに分類されるダンスミュージックだったため、販売戦略とは異なる文化が後に形成された。
盆踊りの曲として定着
1990年代後半から愛知県(尾張北部:江南市、岩倉市など)や岐阜県(美濃加茂市周辺)で盆踊りの曲として普及し始め[14][4]、徐々に首都圏(東京都中央区や清瀬市など)の盆踊り大会でも採用されていった[15]。名古屋の日本民踊研究会会長(当時)二代目島田豊年が1986年に考案した最古の振り付け[16]以外にも複数の総踊り用の振り付けが存在する。
2016年12月21日には、民謡歌手の2代目鈴木正夫らによる総踊り用CD「踊る十二月」のカップリング曲に荻野目バージョンが収録された。
バブリー・ダンスとしてリバイバルヒット
Billboard Japan Hot 100総合シングルチャートでは、2017年9月25日付けのチャートに46位で初登場。その後、大阪府立登美丘高等学校ダンス部による当楽曲を使用した「バブリーダンス」のPV(制作・振付は同校OBの振付師akane)が、荻野目や平野ノラによる絶賛のコメントも後押しして一気に火が点き再生数が急伸。この楽曲を使用した動画の合計再生回数が8,705,160回を記録し、動画2位のDAOKO×米津玄師による「打上花火」にダブル・スコア以上の差をつける結果となった。このポイントが牽引して、10月2日付けで「打上花火」に次ぐ総合2位にジャンプ・アップした[17]。また、同年11月6日には配信限定シングル「ダンシング・ヒーロー -ALL EAT YOU UP-」[18]が、翌月にはシングル「ダンシング・ヒーロー ジ・アーカイブス」(後述)が発売された。
ただし、実際は本楽曲がリリースされた1985年末から、本楽曲の注目が続いた1986年前半までは全く以って「バブル期」ではない。内閣府が定義する景気循環では、1985年6月をピークとするハイテク景気(第10循環)の後退期にあたる同年9月22日、G5により「プラザ合意」がなされ、急激に進む円高ドル安が深刻な「円高不況」を招き、日本政府や日本の輸出企業は大混乱に陥った[19][20][21]。この不景気期には、おおよそ将来の好景気の芽はなかった。とは言え、本楽曲のリリースから約1年後の1986年12月頃、バブル景気(第11循環)は始まることとなる。
すなわち、本楽曲は実際は「円高不況期の曲」であるが、リリースから約30年後に「バブル期の曲」と誤解、誤認されてリバイバルヒットした[20]。
注釈
出典
- ^ “荻野目洋子 – Dancing Hero = ダンシング・ヒーロー”. Discogs. 2023年5月13日閲覧。
- ^ a b c 1968 - 1997 オリコン チャート・ブック(1997年12月11日第1刷)p.64
- ^ 荻野目洋子 登美丘高校ダンス部とレコ大特別賞受賞、授賞式でもコラボ切望アメーバニュース 2017年11月20日
- ^ a b 朝日新聞 2017年6月24日 土曜版「be on saturday」2面
- ^ “ダンシング・ヒーローと私”. 荻野目洋子オフィシャルブログ. CyberAgent (2017年9月19日). 2017年9月24日閲覧。
- ^ 「アイドルの80年代は大競争時代だった」荻野目洋子×売野雅勇対談AERA dot. 2016.9.25
- ^ “荻野目洋子が語る、“歌って踊れるアイドル”の30年「物事に立ち向かう姿勢を大切にしてきた」”. リアルサウンド. blueprint (2014年8月27日). 2020年9月23日閲覧。
- ^ “平野ノラ、ギロッポンでバブルなパフォーマンス?”. 日刊スポーツ. (2015年7月7日) 2017年6月24日閲覧。
- ^ “平野ノラ インタビュー”. コンテンツリーグ. 2017年6月24日閲覧。
- ^ “荻野目洋子「私のダンシング・ヒーロー」振付師・三浦亨さんとポーズ”. Techinsight (テックインサイト). (2017年12月5日) 2020年9月23日閲覧。
- ^ 妊娠4カ月 荻野目洋子が入籍、スポニチアネックス、2001年10月20日。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
- ^ 角川インタラクティブ・メディア「別冊ザテレビジョン ザ・ベストテン 〜蘇る! 80'sポップスHITヒストリー〜」2004年12月、ISBN 978-4-0489-4453-3 p.138)
- ^ 角川インタラクティブ・メディア「別冊ザテレビジョン ザ・ベストテン 〜蘇る! 80'sポップスHITヒストリー〜」2004年12月、ISBN 978-4-0489-4453-3 (p.140 - 141)
- ^ 盆踊りに「ダンシング・ヒーロー」、その歴史 岐阜・愛知に広がる風習...発祥は?J-CASTニュース 2017-09-01
- ^ 酒井政利 (2014年10月29日). ““ダンシング・ヒーロー”続ける45歳の荻野目洋子”. ZAKZAK (産経新聞社) 2015年8月23日閲覧。
- ^ 盆踊りの定番に「ダンシング・ヒーロー」、その理由は?朝日新聞 2017年8月4日
- ^ “【ビルボード】「打上花火」総合首位返咲き YouTubeで急伸「ダンシング・ヒーロー」総合2位 安室奈美恵なんと12曲チャート・イン”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク,プランテック,Prometheus Global Media). (2017年9月27日) 2017年9月27日閲覧。
- ^ ビクター・エンタテインメント作品ページより
- ^ 小峰隆夫編『「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策」第1巻『日本経済の記録-第2次石油危機への対応からバブル崩壊まで-』』内閣府 経済社会総合研究所、2011年、p.159
- ^ a b 読み替えられる「バブリー」イメージ──「ダンシング・ヒーロー」再ヒットの行方(Yahoo!ニュース 松谷創一郎 2017年12月20日)
- ^ 荻野目洋子の“バブリーダンス”リバイバルに違和感……安室の不出場で『紅白』出場の可能性も 日刊サイゾー 2017年12月15日
- ^ “Japan Hot 100”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク,プランテック,Prometheus Global Media). (2017年10月2日) 2022年11月7日閲覧。
- ^ “Japan Top Download Songs”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク,プランテック,Prometheus Global Media). (2018年1月1日) 2017年12月30日閲覧。
- ^ “Japan Top Streaming Songs”. Billboard JAPAN (阪神コンテンツリンク,プランテック,Prometheus Global Media). (2018年1月1日) 2017年12月30日閲覧。
- ^ 이국주, ‘화려한 싱글’ 양혜승 결혼 기사에 제대로 뿔났다매경닷컴 2016.10.6
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