シロスタゾール シロスタゾールの概要

シロスタゾール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/23 15:08 UTC 版)

シロスタゾール
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 プレタール
Drugs.com monograph
MedlinePlus a601038
胎児危険度分類
  • US: C
投与方法 経口
薬物動態データ
血漿タンパク結合95–98%
代謝肝臓 (CYP3A4CYP2C19による)
半減期11–13 時間
排泄腎臓
識別
CAS番号
73963-72-1 
ATCコード B01AC23 (WHO)
PubChem CID: 2754
DrugBank DB01166 
ChemSpider 2652 
UNII N7Z035406B 
KEGG D01896  
ChEBI CHEBI:31401 
ChEMBL CHEMBL799 
化学的データ
化学式C20H27N5O2
分子量369.46 g/mol
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シロスタゾールはアミロイドβの排出を促すため、アルツハイマー病の進行を食い止める薬としての認可が期待されている[1]

作用機序

シロスタゾールはcAMPの分解に関わる3型ホスホジエステラーゼ(PDE3)に選択的に阻害することで、cAMPの分解の抑制によりプロテインキナーゼA(PKA)の活性型が増え、血小板の凝集を抑制する。PKAには平滑筋の収縮に関わっているミオシン軽鎖キナーゼを抑える働きがあるため、血管拡張作用も引き起こす。

臨床実験

シロスタゾールは慢性動脈閉塞症による潰瘍や間欠性跛行などの症状の改善させる目的や、ラクナ梗塞などの心原性脳梗塞以外の脳梗塞後の治療で用いられる。通常の服用量は1回100mgの一日2回服用である。脳梗塞の再発防止効果に関しては、アスピリンとの比較試験(CSPS II)において出血合併症を増加させることなく有意に脳血管疾患を予防することがわかっている[2]

心不全がある場合

シロスタゾールを鬱血性心不全の患者に使用した場合の長期予後は明らかになっていないが、他のPDE阻害薬であるミルリノンやベスナリノンを高度の心不全患者に用いたプラセボ対照長期比較試験において、生存率がプラセボよりも低かったこと[3][4]から、鬱血性心不全の患者に対するシロスタゾールの使用は禁忌となっている。

副作用

副作用としては頭痛が最も多く、そのほか、下痢や頻脈、動悸などである[5]


  1. ^ 2014年7月20日(日)午後9時00分~9時58分放送 NHKスペシャル「認知症をくい止めろ ~ここまで来た!世界の最前線~」
  2. ^ 内山真一郎 (2010). “脳梗塞患者におけるシロスタゾールとアスピリンのランダム化比較試験(CSPS II)の成績”. 臨床神経 50 (11). doi:10.5692/clinicalneurol.50.832. PMID 21921460. https://doi.org/10.5692/clinicalneurol.50.832. 
  3. ^ Milton Packer et al (1991). “Effect of Oral Milrinone on Mortality in Severe Chronic Heart Failure”. the New England Journal of Medcine 325 (21): 1468-1475. doi:10.1056/NEJM199111213252103. PMID 1944425. 
  4. ^ Jay N. Cohn et al (1998). “A Dose-Dependent Increase in Mortality with Vesnarinone among Patients with Severe Heart Failure”. the New England Journal of Medcine 339 (25): 1810-1816. doi:10.1056/NEJM199812173392503. PMID 9854116. 
  5. ^ a b Cilostazol: Official FDA information, side effects and uses.”. Drugs.com (2008年2月). 2008年9月22日閲覧。
  6. ^ Taniguchi K, Ohtani H, Ikemoto T, Miki A, Hori S, Sawada Y (October 2007). “Possible case of potentiation of the antiplatelet effect of cilostazol by grapefruit juice”. J Clin Pharm Ther 32 (5): 457–9. doi:10.1111/j.1365-2710.2007.00844.x. PMID 17875111. 


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