シロスの聖ドミニクス司教推戴とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > シロスの聖ドミニクス司教推戴の意味・解説 

シロスの聖ドミニクス司教推戴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/24 22:08 UTC 版)

『シロスの聖ドミニクス司教推戴』
スペイン語: Santo Domingo de Silos entronizado como obispo
英語: Saint Dominic of Silos enthroned as a Bishop
作者バルトロメ・ベルメホ
製作年1474-1477年
種類板上に油彩テンペラ
寸法242 cm × 130 cm (95 in × 51 in)
所蔵プラド美術館マドリード

シロスの聖ドミニクス司教推戴』(シロスのせいドミニクスしきょうすいたい、西: Santo Domingo de Silos entronizado como obispo: Saint Dominic of Silos enthroned as a Bishop)は、16世紀スペインの画家バルトロメ・ベルメホが1474-1477年に板上に油彩テンペラで制作した絵画である。元来、ダロカ英語版 (サラゴサ県) の聖ドミニクス教会 (Iglesia de Santo Domingo de Silos) の祭壇画の中央パネルであった[1][2]アラゴンを中心に普及したスペイン・フランドル様式英語版の画法を示す15世紀のスペイン美術を代表する作品である[2]。1869年にマドリード国立考古学博物館の所蔵となった[1]が、1920年以来、プラド美術館に所蔵されている[1][2]

作品

バレンシア出身の画家ベルメホは、1474年にダロカに移り住んで以来、アラゴン特有のゴシック様式の中に油彩技法と初期フランドル派の様式を融合した[2]。本作に描かれているシロスの聖ドミニクス英語版は11世紀にシロス修道院英語版を創設し、初代院長に就任した人物である。画面には司教職を表す数々の象徴が描かれており、ゴシック様式の司教座にその権威を伺い知ることができる[2]

司教座に彫られた色彩豊かな彫刻はキリスト教の「七元徳」 (古代ギリシアの「知恵」、「勇気」、「節制」、「正義」の4つの「枢要徳」に、『新約聖書』の「パウロ書簡」に見られる「信仰」、「希望」、「愛」の3つを加えたもの) を表しており、法衣にあしらってあるのは7聖人の図柄である[2]

きらびやかな背景の中にいる司教の顔と姿勢は威厳に満ち[1][2]、彫刻と見まがうばかりの平静さで鑑賞者を正面からまっすぐに見据えており[2]、聖人の人柄がひしひしと伝わってくるようである。一方、司教の外套、ミトラ (司教冠)、書物、司教杖の細密描写、金箔を貼った堂々とした司教座は、フランドル派美術の写実主義を反映している[1]

脚注

  1. ^ a b c d e Saint Dominic of Silos enthroned as a Bishop”. プラド美術館公式サイト (英語). 2023年10月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h プラド美術館ガイドブック 2016年、43頁。

参考文献

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  シロスの聖ドミニクス司教推戴のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「シロスの聖ドミニクス司教推戴」の関連用語

シロスの聖ドミニクス司教推戴のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



シロスの聖ドミニクス司教推戴のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシロスの聖ドミニクス司教推戴 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS