ザ・タワー (ゲーム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 05:18 UTC 版)
概要
プレイヤーはビルの経営者となり、様々なテナントを設置してビルを拡大させていく。人口の増加などで認定されるグレード(星の数)を上げていき、最終的には最上級の称号である「THE Tower」を目指す事が目的となる。
斎藤由多加が自宅マンションの1階でエレベーターの上向きのボタンを押した際に、4階と7階で待機していたカゴのうち、遠いはずの7階のカゴが降りてきたことに着想を得て開発されたという[1]。
アメリカ合衆国では『シムシティシリーズ』などを手がけるマクシス社より、『シムタワー』(SimTower)として発売された。
1995年にアメリカの全米ソフトウェア・パブリッシャーズ協会よりCodies賞を受賞し、「ベストシミュレーション・オブ・ザ・イヤー」に選出された[1]。
基本ルール
- ゲーム内の時間経過は1年を四半期に分けた1Q(クォーター)と呼ばれる単位で進行し、1Qは平日2日と休日1日の合計3日間で構成される。休日はオフィスが稼働しない代わりに、商業テナントの来客数が多くなる。
- ビル内にテナントを建設すると、利用客(住人と呼ばれる)がやってきて目的のテナントを目指し移動する。住人は移動時にかかるストレス等によって利用テナントへ評価を下し、評価が良ければそのテナントの利用客が増え、評価が悪い場合は利用客が減少する。
- ビル内の移動手段には階段、エスカレーター、エレベーターがあり、それぞれ利用する住人に与えるストレスが異なる。移動設備の効率的な配置がゲームを進めるためのポイントとなる。
- エレベーターによる移動では、待ち時間が増えるにつれてストレスも増加する。表示上は住人のシルエットが黒からピンク、赤へと変化し、現在のストレス度合いを示す。
- 騒音の発生源が近隣にある場合、そのテナントの評価に悪影響を及ぼす。
- 建設資金はゲーム開始時に一定の額が与えられ、その後はテナントの売り上げや賃料で賄う。
- 特定の条件を満たすとグレード(星)が上がり、より多くの種類のテナントを建設できるようになる。5つ星になると「ファイナルアイテム」が登場し、これを建設して特定の条件を満たすと最高グレードである「TOWER」の称号を得られる。
- ビル内では時として火災やテロリストによる脅迫などのイベントが発生し、対処する必要が生じる。
作品一覧
- オープンブック版Tower
- 『Tower』(Classic Mac OS版)発売 1994年
- 『SimTower (※「Tower」海外版)』(Classic Mac OS版)発売 1994年
- 『Tower 1.2J』(Classic Mac OS、Windows版)発売 1995年
- 『The Tower』(セガサターン版)発売 1996年3月1日
- 『The Tower』(3DO版)発売 1996年3月29日
- 『The Tower 1.3J』(Classic Mac OS、Windows版)発売 1996年
- 『The Tower BONUS edition』(PlayStation版)発売 1996年11月1日
- Tower II
- 『The Tower II』(Classic Mac OS、Windows版)発売 1998年
- 『Yoot Tower (※「The Tower II」海外版)』(Classic Mac OS、Windows版)発売 1998年
- ビバリウム版Tower
- 『The Tower SP』(ゲームボーイアドバンス版)発売 2005年4月28日
- 『The Tower DS』(ニンテンドーDS版)発売 2008年6月26日
- 『The Tower DS クラシック』(DSiウェア版)ダウンロード販売 2009年8月26日
- 『The Tower DS 裏路地の二等地に一流ホテルを建設せよ!!編』(DSiウェア版)ダウンロード販売 2009年9月30日
- 『The Tower DS 郊外駅前市場に挑め!!巨大ショッピングセンター編』(DSiウェア版)ダウンロード販売 2009年10月2日
- 『The Tower for iPad』(iPad版)ダウンロード販売 2010年8月5日
- 『The Tower for iPhone』(iPhone版)ダウンロード販売 2011年10月11日
オープンブック版
Tower
1994年7月、『Tower』がClassic Mac OS用に発売される。11月にはMaxisより英語版(SimTower)が発売。
1995年の『Tower 1.2J』でWindows版が追加される。のちに建設したビルの形をしたアクアゾーン用のオブジェを出力することが出来るようになった。
The Tower
1996年、『The Tower 1.3J』が発売(ユーザー登録をしていれば1.2Jからの無償アップデートが可能だった)。グラフィックの向上やアイテム「タワービジョン」(実在のCMを放送することができる)が追加された。この時『Tower』から『The Tower』と名称が変更されている。
1996年3月にはセガサターン(3月1日発売)と3DO(3月8日発売)に移植された。オフィスやルームキーパーの人数が6人毎から5人毎に減るなどのハードウェア的な制限(BONUS editionを含む)があるものの、アイテム同士の間隔が一定以上空いているとルーフに間を埋められることなくツインタワーなどの複数のビルを建設できるなど、PC版では次作『The Tower II』で実装される追加要素や改良点が先行的に採用されている。
The Tower BONUS edition
1996年11月1日、PlayStation向けの移植版『The Tower BONUS edition』(ザ・タワー ボーナスエディション)が発売された。
設置したアイテムを虫メガネアイコンで選択すると中の様子がムービーで覗ける。深夜に虫メガネアイコンでセコムルームを選択すると夜間パトロールに出ることができ、3DCGで再現されたビル内部を歩き回ることができる。
マップによって各テナントの需要や、固有の交通機関・レストランに違いがある。
- 商業都市(初級者向け)
- 周囲に住宅街などがあり、多くの商業施設の需要がある。地下鉄駅などの交通機関を配置することにより、より多くのショッピング客を集めることができる。
- アイテムの需要は総じて高く、初心者向けのマップである。
- 交通機関は地下鉄駅。レストランはピザハウス、かに料理屋。
- ビジネス都市(中級者向け)
- ビジネスに適した土地で交通の便も良い。周りにはオフィスビルがひしめいており、ビジネスマンが多い。
- ビジネス客が多いため、オフィスの需要が非常に高い。同時に飲食店などの需要も高い。
- 交通機関は地下鉄駅。レストランは定食屋、カラオケバー。
- 国際空港都市(上級者向け)
- 近くに国際空港があり、海外からの観光客やビジネス客の利用が多い。
- 旅行客や空港利用客が多いため、ホテルの需要が非常に高くなっている。
- 交通機関はモノレール駅。レストランはサンドイッチハウス、高級バー。
- リゾート都市(上級者向け)
- 近くにテーマパークなどの施設が充実しており、観光に訪れる家族客が多い。船着き場を設置することにより、さらに多くの客を集めることができる。
- 観光や娯楽目的の客が多いため、ホテルや商業施設に客が集まりやすい。また、別荘地としての人気もあり住宅の需要も高い。
- 交通機関は船着き場。レストランはイタリア料理店、シーフードレストラン。
- 自由の女神
- 島に位置する特別な観光地で、一般客の需要が他の都市と比べてかなり高くなっている。反面、オフィスや住宅、ホテル等のテナントには人が入りにくくなっている。
- タワーのグレードを1つでも「Tower」にすると出現。建設可能な土地は女神像の台座部分のみに限られているほか、初期状態で最上部に撤去不可能な展望台が設置されているため、大聖堂は設置できない。そのため最高ランクは☆5となる。
- 交通機関およびレストランはビジネス都市と同一。
- ^ a b 『Tower 公式パーフェクトガイド』ソフトバンク、1995年、ISBN 4890527079
- 1 ザ・タワー (ゲーム)とは
- 2 ザ・タワー (ゲーム)の概要
- 3 The Tower II
- 4 ビバリウム版
- 5 関連商品
- 6 アイテム
- 7 イベント
- 8 外部リンク
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