サード・イアー・バンド サード・イアー・バンドの概要

サード・イアー・バンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/20 20:25 UTC 版)

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サード・イアー・バンド
Third Ear Band
出身地 イングランド ロンドン
ジャンル プログレッシブ・ロック
チェンバー・ロック
活動期間 1968年 - 1974年
1988年 - 1993年
レーベル ハーヴェスト
Materiali Sonori
ヴォイスプリント
エンジェル・エアー
Gonzo Multimedia
公式サイト wmg.jp/thirdearband/
旧メンバー グレン・スウィーニー
ポール・ミンス
ポール・バックマスター
リチャード・コフ
クライヴ・キングズレイ
メル・デイヴィス ほか

来歴

ロンドンフリースクールでフリーフォームのジャズ・セッションを開始したデイヴ・トムリンは、UFOクラブでも同様のセッションを行うようになっていった。いつも午前4時になると観客のメンバーを集めて、それまでに疲れたダンサーたちのために演奏をするという自由奔放なグループになった。ドラマーのグレン・スウィーニーは、時々、グループの他のメンバーから終わりだと言われても演奏を続け、運び出されなければならなかった。彼らは「ジャイアント・サン・トロレイ(The Giant Sun Trolley)」として知られるようになった。[2]:212-213

サード・イアー・バンドはこのジャイアント・サン・トロレイとピープル・バンドのメンバーから結成され、東洋のラーガ形式、ヨーロッパの民俗音楽実験音楽および中世の影響を受けて即興の音楽描写を創作していった。1968年、ロン・ギーシン(イギリスの前衛音楽家)のために彼らは最初のセッションを録音した。それは『スタンダード・ミュージック・ライブラリー(Standard Music Library)』と題されたLPの片面に、ナショナル・バルカン・アンサンブル(National-Balkan Ensemble)という仮名の下でリリースされた。

最初のアルバム『錬金術』は、EMIハーヴェスト・レーベルで1969年にリリースされ、BBCディスクジョッキーであるジョン・ピールがグループを宣伝し、アルバムに収録された1曲では口琴を演奏した。翌1970年セカンドアルバムを発表。「天(Air)」「地(Earth)」「火(Fire)」および「水(Water)」の4曲からなり、ジャケットにはバンド名のみが表記され、その曲名を並べた通称で呼ばれることが多く、邦題も「天と地、火と水」であった。この中から「水(Water)」がハーヴェスト・サンプラー『ピクニック』に収録され、広く知られるきっかけとなった。

彼らは2つのサウンドトラックを録音している。1970年の『アベラールとエロイーズ』のHerbert Fuchsによるアニメーション映画(1997年に作家Luca Ferrariの『Necromancers of the Drifting West Sonic Book』の一部として初公開された)と、1971年のロマン・ポランスキー監督による『マクベス』である。

幾度かの再編とアルバム発表を行った後、リーダーでありパーカッショニストのグレン・スウィーニーが進行中の健康問題を抱えたため、1993年に惜しまれつつ解散した。

彼らはまた、1969年7月5日ローリング・ストーンズ主催のハイドパーク・フリーコンサート前座を担当し、翌月のワイト島音楽祭でも演奏した。

バンドに関わったメンバー

  • グレン・スウィーニー (Glen 'Zen' Sweeney) - パーカッションドラム
  • ポール・ミンス (Paul Minns) - オーボエリコーダー
  • ブライアン・メレディス (Brian Meredith) - チェロ
  • クライヴ・キングズレイ (Clive Kingsley) - ギター
  • リチャード・コフ (Richard Coff) - ヴァイオリンヴィオラ
  • ベンジャミン・カートランド (Benjamin Cartland) - ヴィオラ
  • メル・デイヴィス (Mel Davis) - チェロ、スライド・パイプ
  • ユーソラ・スミス (Ursula Smith) - チェロ、ヴァイオリン
  • ポール・バックマスター (Paul Buckmaster) - チェロ、ベース
  • サイモン・ハウス (Simon House) - ヴァイオリン、VCS3
  • デニム・ブリッジス (Denim Bridges) - ギター
  • デイヴ・トムリン (Dave Tomlin) - ベース、『錬金術』でのヴァイオリン
  • マイク・マーチャント (Mike Marchant) - ギター、ボーカル
  • アラン・サミュエル (Allan Samuel) - ヴァイオリン
  • ニール・ブラック (Neil Black) - ヴァイオリン、ミディ・ヴァイオリン
  • ミック・カーター (Mick Carter) - ギター
  • リン・ドブソン (Lyn Dobson) - ソプラノ・サックスフルート、ボーカル
  • ジョン・ピール (John Peel) - 『錬金術』での口琴
  • キース・チェグウィン (Keith Chegwin) - 『マクベス』でのボーカル[3]
  • モーガン・フィッシャー (Morgan Fisher) - キーボード、VCS3 ※1972年-1973年の短期間

  1. ^ サード・イヤー・バンド」の表記もある。
  2. ^ Miles, Barry (1 March 2010). London Calling: A Countercultural History of London since 1945. Atlantic Books Limited. ISBN 978-1-84887-554-8. https://books.google.co.uk/books?id=gYn87V36p5AC&lpg=PP1&dq=london%20calling&pg=PT139#v=onepage&q&f=false 
  3. ^ The Wire, Volumes 203-208”. Wire Magazine. 2017年1月3日閲覧。 “Third Ear Band, my favourite album was Macbeth and my favourite track on that album is that vocal track ["Fleance", with vocals by a young Keith Chegwin].”


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