キーボード (コンピュータ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/17 05:46 UTC 版)
概要
一般的なキーボードの形状は、横長の板状の筐体におよそ百前後のキー(漢字では「鍵」)がまとめられている。キートップ(キーの上面)には文字、記号、や機能を示す文字やアイコン等が描かれている。
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IBM Model M(101拡張キーボード)
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ThinkPadのコンパクトキーボード
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モバイル機器用の無線キーボード
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モバイル機器用の折り畳めるキーボード
キーを押すこと(打鍵)で、文字や数字や記号などの入力や削除、文字種の変更のほか、カーソルの移動、ページ送り/戻しなどもでき、さらに複数のキーを同時押すことで、ある種の命令をコンピュータに与えることもできる(細かい機能については「#キーボードの機能」の節で説明)。
各キーは電気的スイッチとして機能している。キーを押すとスキャンコードがコンピュータへと送信されるしくみになっている。なおキーボードの種類にもよるが、単純にスイッチの開閉の状態をコンピュータに伝えるだけでなく、内部に集積回路が搭載されていて、さまざまな特殊な機能キーやワンタッチキーが使えるように、信号をあれこれ変換してからコンピュータに伝えているものもある。
キーの機構(あるいは構造)としては現在は主に、パンタグラフ方式 / メンブレン方式 / メカニカルスイッチ方式が主流であるが、技術的に言えば、他にもレーザー方式などいくつかの方式がある(「#キーボードの機構」の節で説明)。機構により、キーストローク(キーが押し下げられる距離。ミリ単位。)、キーを押した時の感覚(タッチ感、クリック感)、入力音の有無や音の質などがかなり異なる。ノートパソコンのキーボードは比較的打鍵音が小さいのだが、最近ではノートパソコンのキーボードよりもさらに静かな、ほぼ無音の、「静音タイプ」というものも販売されるようになっている[注釈 2]。
キーボードとコンピュータ本体は、一体化しているものも、分離しているものもある。たとえばノートパソコンはキーボードとコンピュータの本体が一体化している。1970年代なかばから1980年代のマイクロコンピュータ(パーソナルコンピュータ)でもキーボードとコンピュータ本体が一体のものが多かった(#歴史の節で説明)。1990年代から2000年ころまでのデスクトップ型パソコンは、本体とキーボードは別になっているものが多く、各ユーザは自分の好みに合うキーボードを別売りで探して差し替えるということがしばしば行われ、単体・別売りのキーボードの市場がそれなりの規模になっていたが、近年、パーソナルコンピュータの販売の8〜9割ほどがノート型になるにつれ、キーボードが単体で販売されることは減り、そのためのキーボードの市場規模は縮小した。一方、2010年代にタブレット型端末やスマートフォンの使用が爆発的に増えたのと連動して、モバイル機器に接続するためのキーボードの販売のほうが次第に伸びてきた。モバイル機器にはタッチスクリーンがありソフトウェア方式のキーボードが表示されるので物理的なキーボード無しでも文字類はそれなりに入力できるが、物理的なキーボードを使うとタッチタイピングができ高速に文字を入力することができる。タブレットやスマートフォン用にはコンパクトに折りたためカバンやポーチなどに入れられ持ち運びに便利なものが選ばれている。
外付けにするキーボードとコンピュータ本体の間の接続の方法は、現在は基本的には、Bluetooth / 無線 / 有線(USB接続) の3種類である。
なおPCゲームをする人向けには、ゲームで有利に闘えるボタン配置で独特の機能も備えたゲーミングキーボードというものもある。
注釈
- ^ 最近では少ないが、1950年代や1960年代のコンピュータに関する文献や解説書においては漢字で「鍵盤」と書かれていることは多かった。なおkeyの日本語訳は「鍵」であり、boardの訳語は「盤」であり、keyboardの訳語が「鍵盤」なので、両者は本質的には同一のものである。近年は楽器については「鍵盤」と呼び、コンピュータのものは「キーボード」と呼び分けてる傾向はある。だが、鍵盤楽器でも電子楽器については「鍵盤楽器」ではなく「キーボード」と呼ぶのが当たり前なので、電子楽器に慣れている人にとっては、逆に、どちらも「キーボード」であり、同一名称で呼ぶものである。中国語ではどちらも鍵盤と呼ぶ。一方、朝鮮語では漢字表記は「字板」とした。
- ^ 赤ちゃん・乳幼児を育てている人々の切実な需要を意識した文章が、静音タイプのキーボードのパッケージに表示されている。赤ちゃんは聴覚器官のサイズが小さく、音高(ピッチ)が高い音に非常に敏感で、大人には聞こえていないような高い音でもはっきりと聞こえており、たとえば食品の袋やスーパーのレジ袋がかすかに動く音や、当記事で扱っているキーボードのタッチ音などにも非常に敏感に反応する。赤ちゃん・乳幼児の子育てには子供を(健やかな成長のために)眠りに誘導する作業《寝かしつけ》が含まれており、子守唄を歌ったり細心の注意でやさしくなでたりするなどしてかなりの時間(長い場合は数十分ほど)をかけて眠りに誘導し、うまく眠り始めたら大人は音を一切たてないように細心の注意を払うのだが、せっかく苦労して眠ってもらったのに、気をつけていてもコンピュータ類のキーボードを操作するだけで乳幼児が目覚めてしまい《寝かしつけ》をまた最初からやり直さなければならないということが、世の子育て中の家庭の中で無数に起きている。
- ^ 極端なキーの詰め込み具合から「変態配列」等とも呼ばれ、特にタッチタイピングを行う場合は勝手が変わってしまうため一部のユーザには嫌悪されている。
- ^ 一部のオペレーティングシステムにおいては[どれ?]、同時に押したキーが認識できない場合に、ビープ音が鳴るものもある(マザーボード本体にスピーカーが搭載されている場合)。
- ^ Macintosh用キーボードは、ADBが廃止されUSBとなった後もしばらくは電源ボタンが搭載されていたが、OSのフリーズ時やハブを介しての接続では使用不能となった。
- ^ 但し、キーを最深部まで押下した時の底付き音や、押したキーが元に戻った時の音などは発生する。これらの音を軽減するためユニット内部にゴム製の部品を使用したスイッチもあり、Apple Extended Keyboard II等に使用されている。
- ^ チェリーの茶軸等。
- ^ 古いシステムではタイプライターそのものを流用しプリンターの機能を兼ねさせることもあった。
出典
- ^ IT用語辞典 e-words、【キーボード keyboard】[1]
- ^ スタパ齋藤の『これだ!!これで行くゼ!! 〜 IBM SpaceSaverキーボード 〜』等。
- ^ タッチ操作の設計(Windows ストア アプリ)(Windows)
- ^ ピクニック企画, 堤大介, ed. (1 March 1990). "オートリピート". 『電脳辞典 1990's パソコン用語のABC』. ピクニック企画. p. 24. ISBN 4-938659-00-X。
- ^ a b Weekly "Keyboard World" 『7. Capitals lock』
- ^ 4Gamer.net『ついに登場した「4桁円台半ば」の大本命 SideWinder X4 Keyboard』
- ^ Deck Backlit Keyboards
- ^ Art. Lebedev Studioを参照。
- ^ Optimus keyboard
- ^ Optimus mini three keyboard
- ^ チェリーキーボードMXキースイッチ
- ^ 株式会社インプレス (2018年5月29日). “【やじうまミニレビュー】 光学式スイッチを採用した高コスパのゲーミングキーボード「GAMDIAS HERMES P2」”. PC Watch. 2021年9月27日閲覧。
- ^ ジャンク (2020年8月15日). “オプティカルスイッチとは?ゲーミングキーボードで使われる光学キースイッチ「Opto-Mechanical」”. ジャンクライフ. 2021年9月27日閲覧。
- ^ 鍵人『Buckling Spring Mechanisms』
- ^ IBM BucklingSpring Keyboard (IBM 5576-003, 5576-A01, 101model M, etc...)
- ^ Nogujyu Keyboard Mania キートップの文字
- ^ Tech総研『和田英一@日本初ハッカーはちょっと変わった絵を描く』無刻印HHK発売の経緯
- ^ “JISZ8514:2000 人間工学-視覚表示装置を用いるオフィス作業-キーボードの要求事項”. kikakurui.com. 2021年2月15日閲覧。
- ^ BakkerElkhuizen. “Should I have the Feet on my keyboard in or o”. BakkerElkhuizen, Work Smart - Feel Good. 2021年2月15日閲覧。
- ^ 最速のCPUと最高解像度の液晶を搭載する無敵のA4ノートPC PCG-GR9E(別冊ASCII No.4 2002年2月5日)
- ^ 松下電子部品、打鍵感に優れるキーボードの詳細を公表
- ^ “キーボードクリーナー・掃除グッズおすすめ人気比較ランキング15選”. タスクルヒカク | 暮らしのおすすめサービス比較サイト. 2019年11月20日閲覧。
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