ガチョウ ガチョウの概要

ガチョウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 02:03 UTC 版)

ガチョウ
シナガチョウの成鳥
ヨーロッパ系種ガチョウ(エムデン種)の成鳥
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: カモ目 Anseriformes
: カモ科 Anatidae
亜科 : ガン亜科 Anserinae
: マガン属 Anser
: ハイイロガン Anser anser & サカツラガン Anser cygnoides
品種 : ガチョウ
学名
A. a. domesticus & A. c. domesticus
和名
ガチョウ
英名
Domestic Goose
古代エジプト、サッカラにある墓の壁画に描かれた強制給餌の様子。
ガチョウの親子
ガチョウの威嚇。また、この画像からでも、口内が確認できる。くちばしの縁が細かい歯状となっている。これは、tomia英語版(単数形:Tomium)と呼ばれるものである[1]。また、舌にも牙状の部位が確認できるが、lingual nailと呼ばれるものである[2]。これらは、水草を口の中で濾して食べるための形状である[3][2]
ガチョウの顔。
ガチョウの鳴き声
ガチョウの羽

概要

ダーウィンは、本種について著書[4] にて、

 「野生の(ガン・かり)を飼いならして家禽化したもので、家禽としてはニワトリに並ぶ歴史を有しており、古代エジプトにおいてすでに家禽化されていた記録がある」

との旨を記しているが、前半はともかく、後半については、今日では古代エジプトで飼養されていたのは本種ではなく、エジプトガンであるとする学者もいる[5]。ガンと姿形は似ているが、体は大きく太っており、飛ぶ力はほとんどない(飛べないのは同じでも進化の観点から飛べない鳥には当たらない)。

粗食に耐えながらも短期間で成長し、肉質が優れ、良質な羽毛を備える。肉は食用に、油は食用や薬として、また日本ではあまり食用に供されることはないが、世界的には卵も広く食用とされる。羽毛は羽根布団ダウンジャケットバドミントンのシャトル、鵞ペンなどに用いられるが、羽毛の利用はどちらかといえば副次的なものである。

その一方で警戒心が非常に強く、見知らぬ人間や野良猫等他の動物を見かけると金管楽器を鳴らしたような大声で鳴き騒ぎ、対象を追いまわし首を伸ばしてくちばしで攻撃を仕掛けることから、古来より番犬代わりとなることが知られていた。酒造会社バランタインの醸造所を警護するスコッチ・ウォッチ英語版が有名。

ガチョウは、日本全国の一部の小学校飼育小屋でも飼われている。

品種

現在飼養されているガチョウはハイイロガンを原種とするヨーロッパ系種と、サカツラガンを原種とする中国系のシナガチョウ英語版に大別される。シナガチョウは上くちばしの付け根に瘤のような隆起が見られ、この特徴によりヨーロッパ系種と区別することができる[6][7]

またヨーロッパ系種はフランスで品種改良が重ねられたツールーズ種(ツールーズグース英語版)と、オランダドイツで品種改良が重ねられたエムデン種(エムデングース英語版)に大別される。特にツールーズ種は肉用としてよりも、肝臓を肥大化させたフォアグラで有名である。ヨーロッパ系種はヨーロッパとアメリカで、シナガチョウはアジア、アフリカ地域で広く一般に飼われている。

  • ローマン・グース ‐ イタリア品種。敵が侵入してきたことを知らせ、ローマを救った伝説などが有名。

  1. ^ Fact Check: Do Geese Have Teeth? Here’s What “Geese Teeth” Really Are” (英語). IFLScience (2022年2月16日). 2023年10月24日閲覧。
  2. ^ a b Jackowiak, Hanna (2011年9月). “Functional Morphology of the Tongue in the Domestic Goose ( Anser Anser f. Domestica )” (英語). The Anatomical Record. pp. 1574–1584. doi:10.1002/ar.21447. 2023年10月24日閲覧。
  3. ^ たまちゃん, Writer: (2019年4月28日). “子供が逃げ出すほど「衝撃的過ぎる」ガチョウの真実の写真が話題に”. 秒刊SUNDAY. 2023年10月24日閲覧。
  4. ^ Darwin, Charles (1868), The Variation of Animals and Plants under Domestication (1st ed.), London: John Murray, http://darwin-online.org.uk/EditorialIntroductions/Freeman_VariationunderDomestication.html 
  5. ^ 川上和人(文)、叶内拓哉(写真)『外来鳥ハンドブック』文一総合出版、2012年5月17日。ISBN 978-4-8299-8103-0  p.25
  6. ^ a b 高山 耕二、根元 紘史、溝口 由子、城戸 麻里、冨永 輝、田浦 一成、野村 哲也、中西 良孝「屋外放飼したセイヨウガチョウならびにシナガチョウの産卵能力の比較」『鹿児島大学農学部農場研究報告=Bulletin of the Experimental Farm Faculty of Agriculture,Kagoshima University』第33巻、2015年1月7日、9–12頁。 
  7. ^ 札幌市. “シナガチョウ”. 札幌市. 2023年6月13日閲覧。
  8. ^ 山中 良忠, 古川 徳 (1975). “主要鳥卵の各種成分に関する比較研究”. 日本家禽学会誌 12 (3): 114–119. doi:10.2141/jpsa.12.114. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpsa1964/12/3/12_3_114/_article. 
  9. ^ ガチョウのたまごはお得!?【たまごのことわざ その79】|たまごのソムリエ 小林ゴールドエッグ”. たまごのソムリエ 小林ゴールドエッグ. 2023年6月13日閲覧。
  10. ^ たまごQ&A/たまごの知識/日本養鶏協会”. www.jpa.or.jp. 2023年6月13日閲覧。
  11. ^ にわとりは1年間に何個(なんこ)卵(たまご)を産むか、おしえてください。:農林水産省”. www.maff.go.jp. 2023年6月13日閲覧。
  12. ^ 森井 啓二『ホメオパシー マテリアメディカ大全1(Abel-Agar)』エンタプライズ、2008年7月27日、288,291頁。ISBN 978-4-87291-188-6 
  13. ^ Production des oies”. 2021年5月3日閲覧。.
  14. ^ Chapitre 12. Désherbage des cultures par les oies”. www.fao.org. 2023年6月13日閲覧。
  15. ^ 21世紀研究会・編『食の世界地図』260頁 文藝春秋社
  16. ^ 吃鵝肉的徐達,這鵝肉或許不是朱元璋賜的” (中国語). https://www.facebook.com/kknews.cc.+2023年6月13日閲覧。
  17. ^ 明初大將徐達是被皇帝「賜吃鵝肉」害死?一文解密他的真實死因,朱元璋居然被黑超慘-風傳媒” (中国語). www.storm.mg. Storm.mg (2021年10月22日). 2023年6月13日閲覧。
  18. ^ 闘鶏…ではなく「闘ガチョウ」、ロシア”. www.afpbb.com (2012年3月19日). 2023年6月14日閲覧。
  19. ^ a b 鵝蛋吃多真的助孕? 營養師:雞蛋CP值較高 - 理財周刊” (英語). www.moneyweekly.com.tw (2020年8月19日). 2023年6月13日閲覧。
  20. ^ goose eggの意味・使い方”. eow.alc.co.jp. 2023年6月13日閲覧。
  21. ^ 鵞皮. コトバンクより。


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