ガチョウ 利用

ガチョウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 02:03 UTC 版)

利用

食用

フォアグラで有名であるが、肉や脂、卵も食用になる。料理法としては、ガチョウのローストなどがある。

食用卵となる。鶏卵の重量が50-70gに対して143.2±18.6gで約2倍の重量を持つ[8]。ドイツなどでは、鶏卵より高値で取引されていた[9]。ただ、生産性は、鶏の初産日齢145日前後[10]に比べ300日程度かかり、鶏の年間産卵数300個[11]に比べ、季節繁殖性のガチョウは2‐6月にエムデン種で20‐40個となる[6]

薬用

脂肪を精油したものを、白鵞膏と呼ぶ。白鵞膏は、皮膚を保湿し、腫れ物やしこりを散らす作用があり、主に手足の荒れ、化膿性の腫れ物、でき物の治療に用いる。また、古代エジプトでは、発熱と咳のある患者に、豚の脂肪、小麦、ガチョウの脂を混ぜて夜露にさらしたものを4日間食させた[12]

毛の利用

換羽や屠殺で得られる毛は、さまざまに利用される[13]

除草

アスパラガス、ジャガイモなどの畑、果樹園などで除草のために利用されているが、1950年代以降は除草剤が普及したことにより一般的ではなくなった[14]

逸話

スウェーデン
「ガチョウを料理する」という慣用句は、「希望や計画を台無しにする」との語意でヨーロッパでは口にされている。1560年スウェーデンで狂気王と渾名されるエリック14世がある街に侵攻したとき、民衆が愚か者を表わすガチョウを街のあちこちに掲げたことに怒った王は、ガチョウもろとも街を焼いてしまい、民衆の思いを台無しにしたとの故事に基づくともいわれる[15]
中国、明代でのガチョウ肉が腫物に対して悪い物であると考えらえれていた例。
洪武18年(1385年)に、徐達が腫物の悪化で歩行困難となったとき、洪武帝から見舞いの品として、蒸したガチョウが贈られた。しかし当時、ガチョウの肉は腫物にとってはと考えられており、洪武帝の意を悟った徐達は、使者を前に涙ながらにガチョウを口にし、数日後に容態が急変して死去したという逸話がある[16][17]
闘ガチョウ
ロシアでは、伝統的に闘ガチョウロシア語版が行われる[18]
妊娠
2020年に台湾で選挙活動を行っていた韓国瑜が、ガチョウの卵が妊娠によいとしたことから値上がりした[19]。栄養士は、そのような効果はないとコメントしている[19]

フィクション

人間に飼われてきた歴史が長いだけに、世界各国の昔話や伝説、神話に頻繁に主役、脇役として登場する。中でも特にイギリスマザーグースは有名である。イソップ寓話ガチョウと黄金の卵や、グリム童話黄金のがちょうDie goldene Gans)の話も広く一般に知られている。

また一方で創作物や小説にも重要な役を担って登場する。アンデルセンの創作童話マッチ売りの少女では、少女がマッチの炎越しに見る幻影の一つに、ご馳走としてのガチョウのローストがある。

アーサー・コナン・ドイルシャーロック・ホームズシリーズ青い紅玉では、ガチョウにないはずの(餌袋と訳される)食道素嚢(そのう)(英語: Crop)がある設定になっており、ドイルがなぜそうしたのか議論になっている。

セルマ・ラーゲルレーヴ作の童話、『ニルスのふしぎな旅』では、雁の群れに「お前、飛べないだろう」とバカにされたガチョウのモルテンが、空を飛び、トムテスウェーデンでの妖精ノームの一種)により小人にされた主人公ニルスとともに、その雁の群れと渡りを行う。


  1. ^ Fact Check: Do Geese Have Teeth? Here’s What “Geese Teeth” Really Are” (英語). IFLScience (2022年2月16日). 2023年10月24日閲覧。
  2. ^ a b Jackowiak, Hanna (2011年9月). “Functional Morphology of the Tongue in the Domestic Goose ( Anser Anser f. Domestica )” (英語). The Anatomical Record. pp. 1574–1584. doi:10.1002/ar.21447. 2023年10月24日閲覧。
  3. ^ たまちゃん, Writer: (2019年4月28日). “子供が逃げ出すほど「衝撃的過ぎる」ガチョウの真実の写真が話題に”. 秒刊SUNDAY. 2023年10月24日閲覧。
  4. ^ Darwin, Charles (1868), The Variation of Animals and Plants under Domestication (1st ed.), London: John Murray, http://darwin-online.org.uk/EditorialIntroductions/Freeman_VariationunderDomestication.html 
  5. ^ 川上和人(文)、叶内拓哉(写真)『外来鳥ハンドブック』文一総合出版、2012年5月17日。ISBN 978-4-8299-8103-0  p.25
  6. ^ a b 高山 耕二、根元 紘史、溝口 由子、城戸 麻里、冨永 輝、田浦 一成、野村 哲也、中西 良孝「屋外放飼したセイヨウガチョウならびにシナガチョウの産卵能力の比較」『鹿児島大学農学部農場研究報告=Bulletin of the Experimental Farm Faculty of Agriculture,Kagoshima University』第33巻、2015年1月7日、9–12頁。 
  7. ^ 札幌市. “シナガチョウ”. 札幌市. 2023年6月13日閲覧。
  8. ^ 山中 良忠, 古川 徳 (1975). “主要鳥卵の各種成分に関する比較研究”. 日本家禽学会誌 12 (3): 114–119. doi:10.2141/jpsa.12.114. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpsa1964/12/3/12_3_114/_article. 
  9. ^ ガチョウのたまごはお得!?【たまごのことわざ その79】|たまごのソムリエ 小林ゴールドエッグ”. たまごのソムリエ 小林ゴールドエッグ. 2023年6月13日閲覧。
  10. ^ たまごQ&A/たまごの知識/日本養鶏協会”. www.jpa.or.jp. 2023年6月13日閲覧。
  11. ^ にわとりは1年間に何個(なんこ)卵(たまご)を産むか、おしえてください。:農林水産省”. www.maff.go.jp. 2023年6月13日閲覧。
  12. ^ 森井 啓二『ホメオパシー マテリアメディカ大全1(Abel-Agar)』エンタプライズ、2008年7月27日、288,291頁。ISBN 978-4-87291-188-6 
  13. ^ Production des oies”. 2021年5月3日閲覧。.
  14. ^ Chapitre 12. Désherbage des cultures par les oies”. www.fao.org. 2023年6月13日閲覧。
  15. ^ 21世紀研究会・編『食の世界地図』260頁 文藝春秋社
  16. ^ 吃鵝肉的徐達,這鵝肉或許不是朱元璋賜的” (中国語). https://www.facebook.com/kknews.cc.+2023年6月13日閲覧。
  17. ^ 明初大將徐達是被皇帝「賜吃鵝肉」害死?一文解密他的真實死因,朱元璋居然被黑超慘-風傳媒” (中国語). www.storm.mg. Storm.mg (2021年10月22日). 2023年6月13日閲覧。
  18. ^ 闘鶏…ではなく「闘ガチョウ」、ロシア”. www.afpbb.com (2012年3月19日). 2023年6月14日閲覧。
  19. ^ a b 鵝蛋吃多真的助孕? 營養師:雞蛋CP值較高 - 理財周刊” (英語). www.moneyweekly.com.tw (2020年8月19日). 2023年6月13日閲覧。
  20. ^ goose eggの意味・使い方”. eow.alc.co.jp. 2023年6月13日閲覧。
  21. ^ 鵞皮. コトバンクより。


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