カメラ 種類

カメラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 09:23 UTC 版)

種類

ハッセルブラッド 500 C/M

銀塩式とデジタル式

銀塩カメラ

フィルム印画紙などの感光材料を利用したカメラで、フィルム式カメラやインスタントカメラなどデジタルカメラ以外のほとんどのカメラが銀塩カメラにあたる[6]。銀塩は感光材料の主たる原料に銀や塩素の化合物が用いられていることに由来する[6]

銀塩写真では撮影時に光を銀や塩素の化学反応として記録し、それを別の化学反応によって目に見える形に変化させる現像の処理が必要なため画像が出来上がるまでに時間がかかる[6]。また、銀塩写真では撮影するたびにフィルムを消費するためコストが比較的高くなる[6]

一方で銀塩写真は化学反応の強弱に応じた細かい諧調表現が可能なことや現像のプロセスを楽しむ目的などから未だに人気がある[6]

デジタルカメラ

デジタルカメラは、銀塩などの化学的な感光材料のかわりに、感光を電気信号に変換する部品(撮像素子)を用いたカメラである[6]。いわゆる電子ガジェット類に機能の一つとして付属している場合もある。

デジタルカメラはモニター画面を通して撮影後すぐに結果を見ることができ、色や画像のデジタル処理も容易に行うことができる[6]。また、デジタルカメラは撮影のみの場合にはほとんどコストがかからないなどの利点もある[6]。コストを気にせず桁違いに多数撮影することができ、撮影したものは原則的に紙にはプリントせず、コンピュータの記録媒体に転送し、ディスプレイで鑑賞するということが一般化している。

スチルカメラとムービーカメラ

スチルカメラ

静止した写真の撮影用のカメラをスチルカメラという[注釈 2][6]

ムービーカメラ

動画の撮影用のカメラをムービーカメラ(シネマカメラ、シネカメラ)という[6]

銀塩式(フィルム式)のムービーカメラの場合は小さいコマにフィルムを連続的に供給して記録する必要がある[6]

デジタル式の場合はスチールとよく似た仕組みでムービーの機能も実現できることから、多くのデジタルカメラは短時間の動画を撮影する機能を持つ[6]

コンパクトカメラとレフカメラ

コンパクトカメラ

コンパクトタイプのカメラは撮影の機能はシンプルに抑え持ち運びに便利なようにしたカメラである[6]

一眼レフカメラ

一眼レフカメラとは、フィルムに写る画像を鏡を使って反射(レフレックス)し、それをスクリーンに投影してそのままファインダー像とするカメラ[3]。撮影用レンズとフイルムとの間に45°の反射鏡(レフレクター)を配し、フィルム上と同等の画像を上方(一部のカメラにあっては側方)のピントグラス上に結像させ、確認できるようにしたカメラである。シャッターを開く際は、反射鏡が移動されてフィルム面へと光路が切り替わる。

二眼レフカメラ

撮影レンズと同じ焦点距離のレンズによるレフレックス型ファインダーのカメラ[3]。一眼レフカメラと同様に45°の反射鏡を使って、本体上部のピントグラス上にファインダー像を得る方式だが、撮影用レンズと同等のファインダー用レンズが別に存在するカメラである。ファインダーに映る像は左右が反転する[3]。ビュー・ファインダー式と同様に視差を生じる。

フィルムの大きさによる分類

製造者・使用者双方の利便性の為にフィルムの種類は規格化されており、規格ごとに概ね以下のように分類できる(なお、例えば以下では110を「超小型」に分類しているが、「小型」に分類されることも多いと思われるように、厳密な分類があるわけではない)。

小型カメラ

多くは35mmフィルムを使うカメラ(カプセルカメラ)。画面フォーマットとしてはライカ判(24×36mm判)が主流だが、一コマ分を長手方向に半分にして使用する35mmハーフ判もある。また、126カートリッジ・フィルムAPSフィルム(IX240)を使うカメラも小型カメラに分類される。

中型カメラ

中型カメラに分類される中判カメラは、120フィルムまたは220フィルム(ブローニーフィルム)を使うカメラ。画面フォーマットとしては、6×4.5cm判、6×6cm判、6×7cm判、6×8cm判、6×9cm判、6×12cm判、6×17cm判などがあるが、実際の画面サイズはカメラによって違う事もある。

大型カメラ

大型カメラに分類される大判カメラは、4×5インチ以上で、一般に、ロールフィルムではなくいわゆるシートフィルムである。4×5in判、5×7in判、8×10in判など。

超小型カメラ

16mmフィルムミノックス・サイズのフィルムを使うカメラ。戦前から戦後に流行した豆カメラや、110カートリッジ・フィルムを使うカメラ(ポケットカメラ)等。ギネスブック等で「一般市販された世界最小の(フィルム)カメラ」とされるのは、1948年から日本の「聖ペテロ光学」により少数が製造された円形カメラ「ペタル」(Petal 直径29mm・厚さ16mm・重量60g。専用24mm円形フィルム6枚撮り)。

その他の分類

以下は、撮影方式・用途、その他による分類である。


注釈

  1. ^ 「カメラ」を「キャメラ」と呼ぶ事もあるが、これは英語の発音から来たものである[1]
  2. ^ still camerastill=静止した、動かない、の意。

出典

  1. ^ キャメラマン、、、キャ!? - 株式会社プロスクルー 2023年11月19日閲覧。
  2. ^ 『日本大百科全書』【カメラ】
  3. ^ a b c d e f g カメラと写真がわかる本”. RICOH. 2020年7月2日閲覧。
  4. ^ 日本経済新聞「2019年のデジカメ出荷、22%減の1521万台に」
  5. ^ [https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ303W20Q1A130C2000000/ 日本経済新聞「デジカメ、20年世界出荷42%減 一眼をミラーレスが抜く」
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m カメラにはいろいろある”. CANON. 2020年7月2日閲覧。


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