カナディアン・ウイスキー 特殊なカナディアン・ウィスキー

カナディアン・ウイスキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/13 02:38 UTC 版)

特殊なカナディアン・ウィスキー

ホワイト・カナディアン

ホワイト・カナディアン(White Canadian Whisky)は、1930年代に作られた、世界初の無色透明なウィスキーとして知られる[21]

4回の蒸留と、3回の活性炭を用いた濾過によって脱色を行うことで作られた[21]

つまり、これは蒸留されたての熟成がなされていない蒸留酒とは別物で、きちんと木製の樽で熟成を行った後に、液色が無色透明となるように操作を行ったウィスキーなのである。こちらは世界的に見ても特殊なウィスキーと言える。

シングルモルトウィスキー

1991年からケープブレトン島にある独立系醸造所のグレノラ蒸留所英語版は、スコッチ・ウイスキーの形式でグレーンウィスキーとブレンドしない、シングルモルト・ウイスキーを造っている。今日では、世界的には様々なシングルモルトウイスキーが見られるが、ブレンデットウィスキーが主流であるカナディアン・ウィスキーとしては異色の存在である。

カナディアン・ウイスキーの一覧

カナダでは、アメリカ合衆国との国境に近い、五大湖の1つ、オンタリオ湖の周辺が、ウィスキーの主要な産地となっている[22]

ブレンデッドウイスキー

シングルモルトウィスキー

  • グレノラ蒸留所英語版 - ノヴァスコティア・グレンヴィル(独立系)
    • Glen Breton Rare

日本への輸入について

日刊経済通信社が発表したデータによれば、少なくとも2007年から2010年にかけて、日本のカナディアン・ウィスキーの輸入量は、上記のように様々な銘柄が存在しているのにもかかわらず、カナディアン・クラブ(Canadian Club)の輸入量だけが突出しているという特徴があると言える。参考までに、2007年、2008年、2009年、2010年と、4年連続で750mlのボトル換算で4万本以上が輸入されているが、このうち2007年は95.5%、2008年は94.8%、2009年は94.8%、2010年は95.5%が、カナディアン・クラブで占められていた[25]


  1. ^ 「かつてはone day whiskyとも呼ばれる劣悪な蒸留酒であった」というくだりは、蒸留酒が劣悪なであると言っているのではなく、今日のカナダではウイスキーと呼べない「劣悪なウイスキー」であったということを言っている。同国でウイスキーと呼ぶことが許されない蒸留酒であるため、この冒頭文では「劣悪な蒸留酒」という表現を使用している。このことに注意されたい。
  2. ^ 参考までに、日本で一般的に言われているウィスキーの五大産地とは、スコットランド、アイルランド、アメリカ合衆国、日本、そして、カナダである。そして、同じく日本で一般的に言われている世界五大ウィスキーとは、これらの地域で生産される、スコッチ・ウィスキーアイリッシュ・ウィスキーアメリカン・ウイスキージャパニーズ・ウイスキー、そして、カナディアン・ウイスキーである。ただし、日本以外の地域で、このような五大産地、五大ウィスキーと一般に言われているのかについては疑問も呈されている(詳しくは「ウィスキー」の記事を参照のこと)。よって、ここでは少なくとも、日本ではこのような見方がなされているという記述になっている。
  3. ^ 橋口 (2001: 179) には180リットル以下とあるが誤り。 法文には小さな樽、すなわち700リットル以下の樽で熟成を行うとある。
  4. ^ ここで言う「バーボン樽を材料として再生した樽」とは、「一旦バーボン樽をバラバラに分解して作り直した樽」ということである。現在のバーボンは熟成には必ず新樽(一度も酒の熟成に用いていない樽)を使うことが、アメリカ合衆国の法律で義務付けられているため、バーボンを製造する限り、常に中古の樽(バーボン)が産生される。しかし、バーボンの熟成に用いられる樽には容量180リットルという縛りが無いのに対し、カナディアン・ウィスキーの熟成には容量180リットル以下の樽を用いねばならないと法律で義務付けられているため、場合によっては、そのままではカナディアン・ウィスキーの熟成に用いることができない。したがって、容量の大きなバーボン樽は、一度バラバラに分解して、カナディアン・ウィスキー仕様の樽に再生してから用いるのである。
  5. ^ ここで「2種類のウィスキー」ではなく「2系統のウィスキー」という言い方を敢えてしているのは、ウィスキーは熟成のさせ方によって違った個性を持つ(味も香りも変わってしまう)ので、すでに2種類ではなくなっているため。
  1. ^ a b c d 古賀 2009, p. 42.
  2. ^ a b 福西 1976, p. 233.
  3. ^ a b c 吉田 1978, p. 147.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 橋口 2001, p. 179.
  5. ^ a b c d e f g 福西 1976, p. 234.
  6. ^ a b 橋口 2001, p. 180.
  7. ^ a b c d e f g h i 古賀 2009, p. 43.
  8. ^ 吉田 1992, p. 103.
  9. ^ 古賀 2009, p. 39,43.
  10. ^ a b c d e f g 福西 1976, p. 235.
  11. ^ a b 野尾 正昭 『ブルーバックス1122 酒の科学』 p.156 講談社 1996年5月20日発行 ISBN 4-06-257122-6
  12. ^ Justice Canada.
  13. ^ a b c d e f g h i j 福西 1992, p. 79.
  14. ^ a b 稲 1987, p. 34.
  15. ^ a b c d 吉田 1992, p. 102.
  16. ^ a b c ニッカ 1977, p. 55.
  17. ^ a b 福西 1976, pp. 235–236.
  18. ^ a b c d e 福西 1976, p. 236.
  19. ^ 福西 1976, pp. 236–237.
  20. ^ 橋口 2001, pp. 181–185.
  21. ^ a b おおぜき あきら 『洋酒を読む本(新訂版)』 p.105 ビジネス教育出版 1995年5月30日発行 ISBN 4-8283-9504-0
  22. ^ 稲 1987, p. 35.
  23. ^ Highwood Distillers Highwood Distillers – Every Occasion
  24. ^ The Whisky Portal: Whisky, whiskey, bourbon and rye distilleries - Protos International Inc.
  25. ^ 日刊経済通信社調査出版部 編集 『酒類食品産業の生産・販売シェア - 需給の動向と価格変動 - (2011年度版)』 p.225 日刊経済通信社 ISBN 978-4-931500-18-1


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