オルタナティヴ・ロック オルタナティヴ・ロックの概要

オルタナティヴ・ロック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/28 04:52 UTC 版)

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オルタナティヴ・ロック
Alternative Rock
様式的起源 パンク・ロック
ニュー・ウェイヴ
ポストパンク
文化的起源 1970年代末、1980年代
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
使用楽器 ボーカルギターベースドラムセットキーボード
サブジャンル
グランジローファイポストロックなど
融合ジャンル
 パンク・ロックハードコア・パンクハードロックパワー・ポップブリットポップノー・ウェイヴインダストリアルガレージ・ロックシューゲイザーノイズロックミクスチャー・ロックラップロックラップメタル)、インディー・ポップ
関連項目
インディー・ロックオルタナティヴ・ミュージックカウンター・カルチャー

オルタナティヴ(Alternative)とは、「もうひとつの選択、代わりとなる、代替手段」という意味の英語の形容詞。大手レコード会社主導の商業主義的な産業ロックやポピュラー音楽とは一線を画し、時代の流れに捕われない普遍的な価値を求める精神や、アンダーグラウンドの精神を持つ音楽シーンのことである。イギリス、アメリカだけでなく、世界の多くの国に存在する。

ジャンル全体の傾向としては、1970年代後半の英米の産業ロックへの反発からくる、1960年代ロックへの回帰(音楽的のみならず、思想的にも)を志向しており、インディー・ロックの流れを汲む。

概要

1978年、イギリスでは前年のロンドン・パンク・ムーブメントと入れ替わるようにポスト・パンク/ニュー・ウェイヴが勃興した。

そのもっとも先鋭的なグループとしてスロッビング・グリッスルディス・ヒートパブリック・イメージ・リミテッド(PIL)らの名前が挙げられる。かれらはパンクが開けた風穴をさらに広げようとし、より自由で実験的な音楽を演奏し、資本的にもメジャーなレコード会社から独立したインディーズ・レーベルのソロ、およびバンドが多く、音楽メディアからはオルタナティヴ・ロックと呼ばれた。イギリスのラフ・トレード・レコード[1]は、初期のオルタナティヴ・ロックのレーベルとして知られていた。またアメリカで発表されたオムニバス盤『ノー・ウェイヴ』もオルタナティブ・ロックの佳作であった。同アルバムにはジェームス・チャンスらの曲が収録されていた。

オルタナに分類されるジャンルには、パンク・ロックハードコア・パンクノー・ウェイヴインダストリアルガレージロックグランジシューゲイザーノイズロックミクスチャー・ロックラップロックローファイエモ、ポスト・パンクなどがある。

同じころ、アメリカ各地の大学で学生が自主運営していたカレッジ・ラジオは、イギリスやアメリカのパンク・ロックやポスト・パンク、ニュー・ウェイヴやギターポップノイズロックなど、アメリカの音楽シーンの主流から外れた音楽を盛んに取り上げた。

彼らのラジオ局は、当時の音楽界の主流であったディスコミュージック、ポップヘヴィメタルなどを「収益性を第一とし、産業的・芸能的でアートとしての進歩性に欠け、聴衆におもねたもの」と呼んで、自らが支持する音楽を「主流でない音楽、真剣な音楽、自分たちの応援する地元のインディーズバンド」として放送する傾向があった。全米の大学ラジオごとのチャートをあわせた「カレッジチャート」では、商業性主体のビルボード・チャートとは異なるオルタナティヴ(代わりの選択肢となりうる・型にはまらない)なバンドが上位に名を連ねていた。REMやU2は、カレッジ・ラジオが応援し続けたバンドとして特に有名である[2]。U2は、音楽賞で受賞した際には「応援してくれたカレッジ・ラジオに感謝する」とコメントしていた。

詳細

広義の解釈はクラッシュ、ディーヴォ[3]など、メジャー・レーベルから発表された作品も、オルタナティヴ・ロックに含む考え方。オルタナティヴ・ロックの考察記事・読本などでは、これを「オルタナティヴ・ロックに属するバンド」を選考する際の基準にすることが多い[4]

狭義の解釈としては、メジャー・レーベルから発表されているソロ、バンドは、オルタナティヴ・ロックに含まれないとする考え方である。この考え方の場合、インディー・ロックと同じ集合となる。オルタナティヴ・ロックは、そもそもが1970年代の末にイギリスで発生したのは前述の通り。英米メジャーシーンの産業ロック、ポップに対するオルタナティヴとして誕生したジャンルであるため、音楽性は1970年代半ば以降の産業ロックや、トップ40もの(MTV的なもの)、ヘヴィメタル、保守的な主流カントリーとは正反対の方向性を持つ。これらはその多くが音楽的な挑戦を持ち、メジャーシーンへのアンチを志向している。また1980年代のポピュラーミュージック、産業ロックに比べると、聞き手にとっての耳触りのよさやキャッチーさを否定している。好まれた機材としてはフェンダー社のジャガージャズマスタームスタングなどを一部のギタリストが使用していた。歪み用のエフェクターは、きめの細かいヘヴィメタルタイプのディストーションよりもRATなどの荒いタイプのものが多用された。ニルヴァーナのカート・コバーンはフェンダーのジャガーを使用した[5]。また、変形ギターなど、1980年代メインストリーム的なものを好んで使用するバンドは非常に少ない。

R.E.M.ソニック・ユースといった勃興の際の旗手となったバンド群は、その人気により1990年代に入ってメジャーシーンに登場。1980年代ヘヴィメタルロックとは違った抽象性・アート性は、音楽雑誌、ローリング・ストーンNMEなどをはじめ、多くの音楽メディアで評価された。サウンド的には反産業ロック、オルタナティヴ志向のため、きらびやかなエフェクトは敬遠された。




  1. ^ 初期にはキャバレー・ボルテール、ポップ・グループなどが所属した英国のインディーズ・レーベル
  2. ^ ソニック・ユース、リプレイスメンツ、ハスカー・ドゥなどもカレッジ・ラジオで人気のバンドだった。
  3. ^ ワーナー・レーベル所属
  4. ^ 2003年のローリングストーンにおける特集、NME・SPINなど多くの世界的ロック雑誌の記事傾向などもこれに該当。
  5. ^ http://rittor-music.jp/products/2011/10/2583
  6. ^ Straw, Will (1991). "Systems of Articulation, Logics of Change: Communities and Scenes in Popular Music", Cultural Studies, 5, 3, pp.368-88。en:Maximum RocknrollのScene Reportsを例示しており、「シーン」はこの用法に基づく概念であるとみられる。これより創刊の早いロスアンジェルスのファンジンen:Flipsideは1978年にはL.A.Scene という表現を用いており、1979年には「オレンジ・カウンティの二つの'scenes'」というような用法が現れている。
  7. ^ 「USオルタナティブロック1978-99」村尾泰郎
  8. ^ http://www.furious.com/perfect/sst1.html
  9. ^ 郡部ながらTSOLなど、多くのオルタナ・バンドが登場した
  10. ^ http://www.allmusic.com/artist/dead-kennedys
  11. ^ http://www.allmusic.com/artist/half-japanese-mn0000555654
  12. ^ 禁ドラッグ、禁アルコール、禁フリーセックスという、お堅いストレージエッジ思想を主張したバンド。
  13. ^ 91年に「スメルズ・ライク・ティーン・スピリットがヒットした。
  14. ^ http://www.nytimes.com/topic/person/kurt-cobain


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