イースIII
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/28 04:45 UTC 版)
主な登場人物
- アドル・クリスティン
- シリーズの主人公。燃えるような赤毛を持つ冒険者。19歳。
- ドギ
- アドルと共に冒険を続けている相棒。25歳。本作の舞台はドギの故郷。
- エレナ・ストダート
- ドギの幼馴染。17歳。アドルが苦労して訪れた、敵が多く危険な場所にも一人で現れる事が多々あるため、ヒロインの中ではダーナに次ぐ実力者とも言われる。
- チェスター・ストダート
- ドギの幼馴染でエレナの兄。妹の心配とは裏腹に怪しい行動をとり続ける。
- デューイ
- ティグレーの採石場で働く抗夫。エドガーの部下である。
- エドガー
- 町の責任者でチェスター、エレナの育ての親。
- ピエール神父
- レドモンドの街の神父。
- ドギの師匠
- エルダーム山脈の小屋に住む。
- ボブ
- ティグレーの採石場で働く抗夫。採石場で落盤事故にあい、行方不明となる。
- ガーランド
- マグガイアの右腕と活躍している魔導師。その正体はガルバランの直属の部下で、ガルバランの復活を企んでる。
- マグガイア城主
- フェルガナ地方を治める、バレスタイン城の城主。
- ガルバラン
- その昔、フェルガナ地方を恐怖に渦巻いた魔王。
- ジェノス
- ガルバランを倒した伝説の勇者。
機種間の差
ラストボスの強さの違いから、オリジナルのPC-8801版をベースとした物と、X68000版をベースとした物の2種類に大別する事が出来る。なおグラフィック・BGMといった演出部分はそれぞれの機種の性能に合わせた変更が見られる為特筆すべき変更点のみを挙げる。
PC-88系
- PC-88
- 全ての元となったオリジナル。エンディングのBGMが無限ループになっている。
- CPUクロックを判別し、クロックに応じてスクロール処理の省略などが行われている。
- PC-98
- スピード調節機能が付いている。ザナドゥの時以来のCtrl立ち上げによるユーザーディスク作成モードが採用され、その時にディスプレイモード(8色アナログ/デジタル)・FM音源ボード・メモリ数・難易度設定が可能となっている。ゲーム中はテキスト表示の部分のみ、グラフィックはエンディングのみではあるものの、ファルコムのPC-9800シリーズのゲームで初めて400ライン表示に対応[注 2]。エンディングのBGMが無限ループするものから完結する長大なものへと変更されている。最初に発売されたサントラはこのPC-98版を元にアレンジしたものが収録している。
- 386機までプレイ可能と後のカタログには掲載されていたが、286機ではV30モード以外での正常な実行は保証されず、実際に起動に失敗するケースがある。
- オプションのFM音源に加え、Beepによる単音のBGM演奏にも対応している。
- セーブ可能な数が1枚のディスクにつき最大3箇所までに増えている。
- MSX2
- 画面はScreen5を用いた256×212ドットとオリジナルに対し解像度が低くなっている反面、色数が8色から16色に描き直されており他の機種よりも全体的に明るく華やかな色使いがなされている。
- ゲーム全体が元々若干低速な上、PC-88版の4MHz動作時のように処理を省いていないため、更に動作が低速になる部分が存在するが、VDPの仕様から、対ボス戦など逆に動作が高速になる部分もある。
- バレスタイン城のグラフィックが夕焼けに変更され、以降の移植作品の多くはこのMSX2版を基に移植されている。対応音源はPSGのみであり、エンディングBGMは上の二機種とも違う構成をとり、隠しスタッフロールが用意されておりエンディングの最後にK、Pを押下すると表示させることが出来る。エンディングの文字のスクロールが非常に遅く、終了までに10分30秒掛かる。
- MSX2版イースIIとは異なり、セーブ可能な数が1枚のディスクにつき1箇所のみで、同時期のゲームの多くが対応した、PAC/FM-PACのSRAMセーブには対応していない。また、PIO転送のFDDインターフェイスであるため、ディスクアクセスと並列に処理を行うことが出来ず、画面切り替えやアイテム使用などディスクアクセスが発生した場合音楽が初めから再生されるようになっているほか、ユーザディスク作成のBGMは削除され、前述の隠しスタッフロールに対応する曲が追加されている。
- PCエンジン
- PC-88版を元とはしているが、X68000版の演出も一部取り入れている。難易度設定がなくなっている。レベルの上限が上げられ細かくレベルが上がる様になっている。声優によるしゃべる演出を採用。ただし『イースI・II』とは異なりアップグラフィックの表示はない。ハードの仕様上、多重スクロールは無理であったものを、スプライトの多用によって擬似的に再現している。
- BGMは他のイースシリーズ同様、米光亮によるアレンジCD音源を使用。未使用曲として「静かな刻」「Welcome!!」「哀愁のトワイライト」のアレンジ音源があり(ゲームではCD音源収録時間の限界からか、内蔵音源を使用)、これらの未使用曲はPCエンジンソフト「うる星やつら STAY WITH YOU」のハドソンCD-ROM2音楽全集同梱版の付属CDにてその断片を聞くことができる。
- 2011年2月16日からPCエンジンアーカイブスで配信されている。
X68000系
- X68000
- そのハードウェア設計にあわせ、アクション性が向上し、ユーザにあわせ難易度も上がっている。
- 最大の違いは最終ボスが強化され倒し方も変わった事であるが、その他ストーリー等にも細かい変更点が存在。スクロールがドット単位になりグラフィックは256色で描き直されている。動作速度とスプライト表示数を考慮し、多重スクロールの枚数が減っている。また画面解像度もMSX2と同様のものになっている。サウンドはステレオでアレンジされ、川合将明により新曲が5曲追加されている。
- また、スプライトが左右反転で描画されるため、剣と盾の持ち手が固定されない。
- スーパーファミコン
- ほぼ忠実にX68000版が移植されているがグラフィック等に変更はあり、全体的に暗く落ち着いた色使いがなされている。難易度設定なし。
- 敵キャラクタが無限に出てくる、敵キャラクタが障害物をすり抜ける等の作り込みの甘さや、「主人公の敵に対し剣の当たり判定」「敵キャラクタからの主人公のダメージ判定」が一定しておらず、視覚的には「(主人公が敵に対し剣で)当たっていないのに敵へダメージを与えられる」「(主人公が敵と)当たっていないのにダメージを受ける」という事もあり、難易度がかなり高い[2]。
- サウンドはステレオにアレンジされており、オリジナルの楽曲もあったが、明らかに他機種とは作風が異なっている。独特の音色を使う傾向があり、特に「翼を持った少年」および「バレスタイン城」のイントロはトランペット風の音色が採用されており、またスーパーファミコンでの再現の範囲内とは言えオーケストラの楽器音に寄せたシンフォニックなアレンジであり、音楽担当者のオーケストレーション能力の高さが窺える。オープニングとエンディングがオリジナルのものだが、これも画風が明らかに異なった。多重スクロールをハードの機能で実現していたがX68000版と同様に枚数が少ない。バレスタイン城へ行くにはエドガーと話す必要がある等、シナリオも若干異なっている。
- ファミリーコンピュータ
- ハードの能力の低さからIII最大の売りの一つだった多重スクロールは再現されていない。ただ動作速度は十分なものとなり、MSX版と対照的な作りになった。また一部カットされるなど若干ダンジョンの変更があり。作中の登場人物の身長差が激しい。難易度設定なし。
- メガドライブ
- PCエンジン版とは逆に、X68000版をベースとしながらもマップ等においてPC-88版の仕様も見られる。難易度設定なし。多重スクロールをハードの機能で持っているということもあるが、家庭用他機種のような問題がなく完成度はパソコン版に見劣りしない。家庭用移植では最も忠実で出来も良いが、発売時期が遅く他機種での評価が確定した後だったのであまり評判にならなかった。BGMは、岩垂徳行と窪寺義明によってコンバートされた。
- PlayStation 2
- X68000版をベースにはしているが多くのアレンジが加えられている。
- ストーリーにアレンジが加えられ、省略された箇所がいくつか見られる。
- 街の中も選択式のマップになっている。
- グラフィックアップや声優によるしゃべる演出を採用。
- 連射の廃止など攻撃アクションの変更。
- アイテムの名称が一部変更されている。複数回使用可能だったアイテムが使用回数は1回になり複数所持が可能に。
- レベルの最高値が16になり、レベルが上がるとHPが全快する。
- 一部を除き、スクロールなしで場面が切り替わる幅へとマップが細分化され、大きくアレンジが加えられている。一部画面では多重スクロールも見られるが、それでもマップが切り替わる幅が非常に狭いため、多重スクロールであるかどうかが分かりにくい。
その他
- Windows・PlayStation Portable
- ストーリーの大筋以外は全く別の作品。『イース -フェルガナの誓い-』を参照。
メディアミックス作品
『I』・『II』に比較すると少ないながら、CD等の音楽メディア、小説、ゲームブックと『III』も様々な形でメディアミックス展開されている。
音楽メディア
『III』を主に扱っているもの。注のない物はCDのみ。原曲であるPC-88版や微修正を加えられたPC-98版のオリジナル音源はこれまで発売されていない。
※カセットテープ有
- MUSIC FROM YsIII WANDERERS FROM Ys ※
- PC-98版を元にアレンジを加えたもの。原曲に対して多くのメロディーラインを追加しており、特に複雑なリズムを構成していたボス1・2の音楽に関してはリズムを単純なものへ修正するなど大幅に変更されている。また、X68000の音源を使用したアレンジバージョンも追加されている。
- YsIII J.D.K. SPECIAL ※
- X68000版のサウンドトラック。J.D.K.BANDによるアレンジバージョンも収録されており、同バンドのデビュー作となった。また、カセットテープ版(KITA-1002)もリリースされ、これがファルコムレーベル最後のカセットテープ作品となった。
- PERFECT COLLECTION YsIII
- WANDERERS FROM Ys SUPER ARRANGE VERSION ※
小説
飛火野版は「2」となっているがあくまで飛火野版小説の「2」ということであり、本作をベースとしており『イースII』とは関わりがない。
ゲームブック
- イースIII〜伝説の魔王〜 - 双葉文庫ゲームブック
注釈
出典
- ^ ワンダラーズ フロム イース
- ^ 株式会社QBQ編 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 マガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。ISBN 9784866400082 p33
イースI・II
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/16 05:55 UTC 版)
『イースI・II 』(イースワン・ツー、Ys I・II)とは、日本ファルコムのアクションロールプレイングゲーム (ARPG)、〈イースシリーズ〉の第1作『イース』 (Ys I) と第2作『イースII』 (Ys II) を一本にまとめて発売された物。PCエンジン (PCE) CD-ROM2、Microsoft Windows (Win)、PlayStation 2 (PS2)、PlayStation Portable (PSP)、X68000 (X68K) で発売された。
注釈
- ^ 『I』と『II』のストーリー的な区切りは本作でも残されているが、違和感のない形で繋がるような演出構成になっている。
- ^ 2019年1月31日をもってWii版VC自体がサービスを終了したため、現在は新規ダウンロード・購入不可。
- ^ 米光はこのPerfectCollectionについて、「アルバムが売れたので真面目にやればよかった」と発言している[要出典]。
- ^ 岩崎啓眞はこれについて「『I』と『II』をまったく同じシステムでいけるようバランスを全面調整した。PCエンジン版はPC版とはバランス的に全然別物になっている」と証言している。
- ^ これについては、オリジナルのスタッフは嵐について雰囲気程度にしか考えていなかったらしい[5]。
- ^ 岩崎啓眞はこれについて「とあるアイテムの入手を必須にするための理由付けとして一番自然であり、またその部分以外に影響を及ぼさない手法である」と証言している[6]。
- ^ 岩崎啓眞はこれについて「IIの最終盤でそのアイテムが再登場する際に矛盾が発生しないようにするためのアレンジである」と証言している。また、このアレンジの影響としてあるキャラが生存するように変更されたとも証言している[6]。
- ^ 開発に限れば、1997年にビクターからセガサターン向けに販売された『ファルコムクラシックス』収録版がある。
- ^ PC-88でまれに起きるバグ修正、およびダルク・ファクト戦で流れるVGM「Final Battle」が、PC-88版かFM77AV版か、どちらかを事前に選択できる程度の違い。
出典
- ^ @snapwithの2020年4月11日のツイート、2020年4月12日閲覧。
- ^ 『ユーズド・ゲームズ』Vol.12「今と昔をリンクする 突撃!クリエイター列伝!!」、キルタイムコミュニケーション、1999年。
- ^ 1989年6月 - レベルを統合すると決める(Colorful Pieces of Game)
- ^ 1989年7月 - バランスを取り直しつつ、ボスの調整を始める(1)(Colorful Pieces of Game)
- ^ オリジナルスタッフのイースの設定(アドルがつくまで)(Colorful Pieces of Game)
- ^ a b 1989年6月 - お礼に一曲吹きましょう(Colorful Pieces of Game)
- ^ 『4Gamer.net』2009年3月7日。
- ^ 日本ファルコム『IR情報』2009年3月19日。
- ^ 『4Gamer.net』3月19日。
- ^ 『GAME Watch』3月19日。
- ^ a b c 公式サイト。
- ^ 日本ファルコム『IR情報』2009年6月5日。
- ^ “クラウドゲームサービス「ジークラウド」あらため「GameNow」のサービスが本日開始。「イースI 完全版」など計26作品をAndroid端末で楽しめる”. 4gamer.net (2013年4月30日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ “クラウドゲーム機“G-cluster”が6月20日発売決定、月額プランが最大2ヶ月無料になるキャンペーンも”. ファミ通.com (2013年5月27日). 2016年2月24日閲覧。
- ^ “2021年にX68000向けフロッピー版「イース I&II」が何故発売されるのか”. GAME Watch(株式会社インプレス) (2021年1月8日). 2021年1月8日閲覧。
固有名詞の分類
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