ひなたライナー 概要

ひなたライナー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/03 20:59 UTC 版)

概要

ひなたライナー」は2017年2月1日より運行開始したが、以前にも1989年から1999年の間、「あおしま号」の名称で大阪府大阪市と宮崎県えびの市小林市都城市・宮崎市を結んでいた路線が存在した。その後、2008年に京都市・神戸市を新たに停車地に加え「あおしま号」とほぼ同じ経路で結ぶ「おひさま号」として事実上復活したが、2016年9月30日の宮崎出発便(関西出発便は前日の29日)をもって運行休止となっていた。

京阪神と宮崎間を結ぶ公共交通機関は、宮崎空港が宮崎市の中心街から比較的近い場所にあり、かつ空港アクセス鉄道としてJR線が接続しているほか、関西~宮崎間にはフェリーもかつては複数航路が運航し、さらに夜行列車もあったことから歴史的に利用者の選択肢が比較的多様であったが、夜行高速バスについては「あおしま号」「ひえつき号」とも九州内は高速道路を経由することから九州島の西側(熊本県経由)を大回りしており、鹿児島方面系統と比べても距離が長くなるにも関わらず、運賃は鹿児島線よりも安いという営業上不利な点があった。同じ東九州の京阪神と大分県を結ぶ路線も、宮崎と同様にフェリーとの競合があり、近鉄は「エメラルド号」を運行していたが(競合して阪急バスなどの「ゆのくに号」もあった)、こちらも1997年に運行を終了している。

「あおしま号」の廃止後、寝台特急「彗星」も2005年に廃止となり、関西と宮崎を直結する夜行陸上交通は皆無となった(フェリーも航路が減少している)。しかし、宮崎発着は「おひさま号」として、大分発着は2011年12月21日より近鉄と大分側3事業者との共同運行による「SORIN号」として事実上復活したが、「おひさま号」は2016年9月30日をもって運行終了することとなった。なお近鉄の発表によると、「おひさま号」運行終了時点で既に2017年春頃を目処に、これまでの九州島の西側経由から東側の東九州自動車道(延岡・日向)経由に変更して運行再開することが計画されており、同年12月14日には愛称の「ひなたライナー」とともに正式に発表された[2]

なお、「あおしま号」「ひえつき号」は共同運行会社が同じであるが、熊本以南の運行経路が大きく異なることから、近鉄バスが2006年に統合した「ツィンクル号」(大阪 - 新宿)と「トレンディ号」(大阪 - 八王子)のような路線統合(ともに大阪 - 八王子間の経路がほぼ同じのため、統合して大阪 - 八王子・新宿とした)が困難であったことも両系統が共倒れとなった遠因であった。しかし東九州自動車道の全通により両系統の事実上の統合が24年の歳月を経て実現した形となり、さらに大阪と延岡市を結ぶ夜行バスは24年ぶりに復活した形となった。

しかしながら運行再開後わずか2年で、近鉄バスは「ひなたライナー」の運行を2019年2月28日をもって終了すると発表。背景としてLCC(格安航空便)就航の影響による利用客離れや、近年の燃料費高騰、深刻な乗務員不足などの諸事情により、今後の運航継続が困難になったことが述べられている[1]

沿革

  • 1989年平成元年)12月8日 - 宮崎線「あおしま号」運行開始(毎日運行)[3]。運行開始当時は大阪側の停留所はあべの橋上本町バスセンターの2箇所。
  • 1990年(平成2年)12月21日 - 延岡線「ひえつき号」運行開始(毎日運行)[4]。大阪側の停留所は同じ。
  • 1993年(平成5年)2月1日 - 「ひえつき号」運行休止。後に正式廃止。
  • 1996年(平成8年)
  • 1997年(平成9年) - 山陽自動車道全通に伴い、同道経由に変更。
  • 1999年(平成11年)3月28日 - 「あおしま号」事実上の運行終了。後に正式廃止。
  • 2008年(平成20年)12月1日 - 京都・大阪・神戸 - 宮崎間で「おひさま号」として運行開始(毎日運行)。
  • 2013年(平成25年)8月 - 「おひさま号」がこれまで停車していた名神高速の3停留所(名神大山崎名神高槻名神茨木)における乗降扱いを廃止。
  • 2016年(平成28年)9月30日 - この日の宮崎出発便(京都出発便は前日)をもって運行休止[5]
  • 2017年(平成29年)2月1日 - 京都・大阪・神戸~延岡・日向・宮崎間で「ひなたライナー」として運行開始。
  • 2018年(平成30年)4月1日 - 延岡駅前周辺整備再開発による延岡駅前バスセンター解体工事に伴い、延岡側における乗降場所を「延岡駅」(駅構内バス乗り場)に変更[6]
  • 2019年(平成31年)2月28日 - この日の京都・宮崎双方の出発便をもって運行終了[1]

  1. ^ a b c 京都・大阪~延岡・宮崎線(ひなたライナー)の運行終了について 近鉄バスプレスリリース、2019年1月11日
  2. ^ 【平成29年2月1日(予定)~】大阪・京都・神戸から延岡・日向・宮崎行き高速バスを運行開始する予定です! 近鉄バス
  3. ^ “大阪-宮崎間など3路線 高速バスを免許”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1989年11月10日) 
  4. ^ “金沢-福岡など夜行バス3路線 運輸省が開設免許”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1990年12月14日) 
  5. ^ 宮崎特急線・鹿児島特急線の休止について” (PDF). 近鉄バス (2016年8月10日). 2016年8月17日閲覧。
  6. ^ 平成30年4月1日からのバス乗り場” (PDF). 宮崎交通 (2018年3月7日). 2018年4月30日閲覧。





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