化学親和力とは? わかりやすく解説

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かがく‐しんわりょく〔クワガク‐〕【化学親和力】

読み方:かがくしんわりょく

化合物をつくる際に元素間に働くと考えられる結びつきやすさ。化学反応に伴う発熱量などが尺度とされたが、現在では熱力学的に定義され自由エネルギー減少とされる


化学親和力

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/29 05:42 UTC 版)

化学親和力(かがくしんわりょく)または化学的親和性(かがくてきしんわせい)とは、化学物理学および物理化学の概念で、異なる化学種間での化合物の形成しやすさを表す電子的特性である[1]。化学親和力はまた、原子や化合物が異なる構成の原子や化合物と化学反応しやすい傾向を示す指標でもある。

化学史家ヘンリー・レスターによれば、ギルバート・ルイスマール・ランドールによる1923年の著書『熱力学と化学反応の自由エネルギー』の影響で、英語圏では「親和力 (affinity)」という言葉の代わりに「自由エネルギー (free energy)」という言葉を使うようになった。

近代における概念

近代的用法では、親和力とは特定の原子分子が集合または接合する傾向である。例えば、医師ジョージ・キャリーの1919年の著書 『人間の生命の化学』では、「健康は血液中にリン酸鉄 Fe3(PO4)2 が適量存在することに依存する。このの分子は酸素との化学親和力があり、酸素を生体のあらゆる部分に運ぶ機能がある」と記している。このようなやや古典的な文脈では、化学親和力は「磁力」とほぼ同義に使われている。1925年ごろまでの文献には「化学親和力の法則」という用法も多く見られる。

熱力学

IUPACによる現在の定義では、定圧および定温での反応進行度に対応したギブズ・エネルギーの負の偏微分を親和力と定義している[2]。すなわち、次のようになる。

ジョフロアの「親和性の表」(1718)。列の先頭にある物質が、その下にある物質と結合でき、上にあるものほど「親和力」が強い。

これは、物質同士の化学反応を比較観察した結果を示した一覧表であり、似たような物質が異なる試薬に示す親和性の度合いを表している。クロード・ルイ・ベルトレーによるさらに深化した概念に取って代わられるまで、親和性の表の研究が広く流行した。

脚注・出典

  1. ^  Chisholm, Hugh, ed. (1911). "Chemical Affinity". Encyclopædia Britannica (英語) (11th ed.). Cambridge University Press.
  2. ^ IUPAC Green Book and Gold Book in .pdf
  3. ^ 日本化学会編「化学の原典3 化学熱力学」8-2 親和力(Th. de Donder著、堤和男訳)学会出版センター ISBN 4-7622-7383-X
  4. ^ Thomas Thomson. (1831). A System of Chemistry, vol. 1. p.31, 7th ed., 2 vols. - 化学親和力を「未知の力」としている。
  5. ^ a b Levere, Trevor, H. (1971). Affinity and Matter – Elements of Chemical Philosophy 1800-1865. Gordon and Breach Science Publishers. ISBN 2881245838 
  6. ^ Malthauf, R. P. (1966). The Origins of Chemistry. Pg. 299. London.
  7. ^ Partington, J.R. (1937). A Short History of Chemistry. New York: Dover Publications, Inc. ISBN 0-486-65977-1

関連項目

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