インボリュート曲線
歯車の基礎円に巻き付けた糸の一点が、基礎円からほどけていくときの軌跡を歯形にしたものをいう。この糸をもうひとつの基礎円にたすきがけに巻き付けて、巻き取っていくときの線上を、相手歯と接しながら動くことがわかる。したがってインボリュート歯形を使うと糸やベルトなどで基礎円径と同径プーリー間で回転を伝導していることがわかる。この軌跡をインボリュート曲線といい、中心間距離が変わっても正しい噛み合いができるし、歯形も加工しやすい。そのため現在は、歯車のほとんどがインボリュート歯形を使用している。ピッチ円の半径は、たすきがけの線と円の中心を結ぶ線の交点(ピッチ点)から、それぞれの円の中心までの距離である。
インボリュート曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 18:41 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動インボリュート曲線(インボリュートきょくせん)は、その法線が常に一つの定円に接するような平面曲線である。円の伸開線 (involute of circle) あるいは反クロソイド (anti-clothoid) とも呼ばれる。固定されて回転しない円形のリールに巻き取られた糸を弛まないように引き、ほどいていくと、糸の端点はインボリュート曲線を描く。
概要
これを初めて研究したのはホイヘンスである。ホイヘンスは等時性を示す擺線振子を作るために、円の伸開線を用いた。
媒介変数表示では
歯車の歯の形には円の伸開線の一部が使われている(インボリュート歯車)。これは、二つの歯が接する点における接線が共通するような形になっているため、歯車の回転速度が一定になり、歯車の間のエネルギー伝導が最適になることが望めるからである。このような歯車に関して、他にも様々な注目すべき性質がある。
エアコンの室外機であるコンプレッサー(圧縮機)には、スクロール方式が採用されている。固定スクロールと可動スクロールはインボリュート曲線が使われている[1]。
脚注
関連項目
外部リンク
インボリュート曲線と同じ種類の言葉
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