出砂障害
【英】: sand trouble
石油・ガスを採収する地層が砂岩層であるとき、砂岩粒子の結合が緩い場合(未固結砂岩)、相当固く締まっていても、過大なドロー・ダウンの下で採取される場合、あるいは水の産出によって砂岩粒子間を結合する物質(セメンチング物質)が溶解された場合に、採収につれて採取層の砂が流体に伴って移動し、やがて坑井内に流入して、チュービング・パイプ内を閉塞{へいそく}させて生産量の低下を招いたり、坑内および地上機器に大きな損傷を与えることがある。この現象を出砂障害あるいはサンド・トラブルと呼び、これを防止する目的で実施されるのが出砂対策(サンド・コントロール、sand control)である。生産量を制限して砂の産出を抑えるのも一つの出砂対策であるが、より根本的な対策法としては、グラベル・パック法、プラスチック固結法および両者を組み合わせた方法とがある。 (1) グラベル・パック法(gravel pack):スクリーン・パイプ(チュービングの下端がスリット状になった採収管)とケーシング・パイプの環状部(ケーシング・パイプ外の採収層部を含む場合もある)に、出砂の性状に合わせて粒径を選定したグラベル(小砂利)を充てんし、この外側に流出砂の架橋を形成して砂の坑内への侵入を防ぐ方法で、現在最も広く適用されている方法であり、本邦でも実施例がある。 (2) プラスチック固結法(plastic consolidation):特殊なプラスチック溶液を採取層に圧入し、坑壁周辺の砂岩粒子を固結させる方法で、作業は簡単であるが、採収層条件など適用範囲に制限がある。 (3) 両者の組み合わせ:プラスチック溶液で被覆されたグラベルを坑内に充てんする方法で、他の方法より効果が大きい反面、費用も最も高い。 |

出砂 sand trouble
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