metオペロンリプレッサー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 14:26 UTC 版)
「リプレッサー」の記事における「metオペロンリプレッサー」の解説
リプレッサータンパク質の他の例としては、メチオニンリプレッサーMetJがある。MetJはリボン-ヘリックス-ヘリックス(RHH)モチーフを介してDNAと相互作用する。MetJは2つの単量体から構成されるホモ二量体である。各単量体のβリボンは共に逆平行βシートを形成し、Met boxと呼ばれるオペレーター配列にDNAの主溝側から結合する。結合したMetJ二量体は、オペレーター配列の相補鎖に結合した他のMetJ二量体とαヘリックスを介して相互作用する。 Met boxはAGACGTCTからなる回文配列で、DNAのどちらの鎖でも同じ配列が認識される。Met boxの中央に位置するCとGの間の接合部にはピリミジン-プリンステップが含まれており、ホスホジエステル骨格が屈曲して正の超らせんが形成される。タンパク質は、DNA二重らせんの形状がタンパク質の形状に沿うことで、認識部位を確認する。言い換えると、タンパク質は特定の塩基配列を認識するのではなく、DNAの構造パラメータを間接的に読み取ることで認識が行われる。 MetJ二量体には2つの補因子S-アデノシルメチオニン(SAM)結合部位が存在する。SAMはメチオニン生合成の産物である。MetJのSAM結合ポケットはDNA結合部位とは重複していない。SAMはMetJに結合してMetJのオペレーター部位への親和性を高め、メチオニン合成に関係する遺伝子の転写を停止させる。SAM濃度が低くなると、リプレッサーはオペレーター部位から解離し、より多くのメチオニンが合成されるようになる。
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