XSL-FOの課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/03 01:11 UTC 版)
「XSL Formatting Objects」の記事における「XSL-FOの課題」の解説
XSL-FOの課題の一つは、2006年12月現在ではXSL-FO処理機能を備えたソフトウェア (XSL-FOの処理系) が少ないことである。また、XSL-FO 1.0 の公式仕様では非常に多くの機能が規定されており、そのため仕様に100%準拠した処理系は実際には存在しない。XSL-FO処理系が少ない理由は、現時点ではXSL-FOに対する需要があまり多くないからであるとの見解がある。TeXとそのマクロパッケージ群 (LaTeXなど) は、組版向け言語として既に長い間その地位を確立している。そしてTeXを使う人々は、TeXに替えてXSL-FOを採用する必要性をほとんど感じていない。 もう一つの課題は、XSL-FO文書を読んで内容を理解することは簡単であるが、XSL-FO文書を手作業などで記述することは、難しいことであり非常に冗長な作業となることである。XSLTは、XSL-FO文書を簡単に生成することができるように設計された。そのためXSL-FO自体には、XSL-FOを簡潔な作業で生成するという観点は考慮されていない (XSLTを使えば簡潔な作業で生成できる) 。この問題は別の問題を提起する。XSL-FOの初学者は、XSL-FO文書を記述する方法を一通り学ぶだけでなく、場合によってはXSLTによる変換の方法も学ばなければならないということになる。このことは当然ながら、標準化されたXML文書を変換する既製のXSLTスタイルシートが使える場合は、問題とはならない。
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