Software as a Service (SaaS) との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/31 15:42 UTC 版)
「仮想アプライアンス」の記事における「Software as a Service (SaaS) との関係」の解説
サービス配備のプラットフォームとして仮想化が重視されるようになり、仮想アプライアンスは従来型のアプリケーションを Software as a Service (SaaS) モードで配備できるよう素早く変換する手段となる。このとき、マルチテナント化というアプリケーションのアーキテクチャ上の大きな変更は不要である。アプリケーションスタックからハードウェアとオペレーティングシステムを切り離すことで、仮想アプライアンスはある種の単純さによって利用できる範囲を拡大可能にした。Salesforce.com が推進してきた従来型の SaaS では、アプリケーションに大幅な変更を加え、ソフトウェアスタックを複雑化することで、共通基盤で動作するようにしていた。 SaaS としての仮想アプライアンスの具体例として、Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) がある。これは、Xen ハイパーバイザのグリッドのノードと、Amazon Machine Image format で予めパッケージ化された仮想アプライアンスを組み合わせて使うものである。Amazon EC2 はコスト障壁を低減し、SaaS ソリューションの顧客に仮想アプライアンスのインスタンスを共有させるのではなく、顧客毎に専用の仮想アプライアンスのインスタンス(群)を使えるようにした。EC2以前には、多くのASPはシングルテナントモデルを採用していて、コストが高くつくという問題を抱えていた。 さらに、SaaS へのマルチテナント的アプローチとは対照的に、仮想アプライアンスは動作中アプリケーションへのローカルなネットワークアクセスを必要とする顧客やサードパーティのホスティングモデルではセキュリティ要求が合わないという顧客にも対応できる。仮想化技術が前提であるため、仮想アプライアンスのインスタンスは物理的な実行環境間を素早く移動できる。従来型の SaaS では、アプリケーションは特定のホスト上に固定されている。
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