PZL_26とは? わかりやすく解説

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PZL 26

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/26 17:31 UTC 版)

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PZL 26

チャレンジ 1934中のIgnacy Giedgowd のPZL.26 SP-PZM

PZL 26は、1934年ポーランドPZLで製造されたスポーツ機である。国防省からの発注により、来るヨーロッパ・ツーリング機選手権1934年度大会用に特別に設計された。

設計と開発

PZL.26は、前回大会の1932年度大会用に製造されたPZL.19から開発された。PZL.19と同様にJerzy DąbrowskiFranciszek Misztalにより設計された本機は固定式降着装置と密閉型キャノピーを持つ全金属製の片持ち式低翼単葉機であった。主翼と尾翼はPZL.19のものに小改良を施したものを流用していた。胴体、主翼と降着装置はより流線型にされ、強化されていた。最も大きな変更点は強力な米国製265 hpのメナスコ バッカニア(Menasco Buccaneer)B-6 S3エンジンを搭載した点であったが、この選択は失敗であることが分かった。1934年に5機が製造され、1機の試作機は静止テスト用に使用された。これらの5機には登録記号:SP-PZLからPZPまでが与えられた。

運用の歴史

製造されたPZL.26の5機全てが1934年8月28日から9月16日まで開催された1934年度大会に参加したが、9,538 kmのヨーロッパ周回長距離ラリーはエンジンに厳しく、エンジン故障のために3機(操縦士:Szczepan Grzeszczyk、Andrzej Włodarkiewicz、Jan Balcer)が完走できなかった。2年前のPZL.19での結果とほぼ同じであったが、Piotr Dudziński(SP-PZL)が11位、Ignacy Giedgowd(SP-PZM)は17位であった。Giedgowd機のエンジンは最高速度競技の途中で壊れてしまったが、完走した2機のラリー競技での平均巡航速度が2位と4位の211と213 km/hであったことは特筆に価する。

1934年秋にPZL.26のSP-PZMがパリ航空ショーに展示された。高出力の反面、信頼性不足と非常に高い燃料消費率により競技会の後はポーランドのスポーツ航空界ではあまり使用されなくなっていた。1936年7月1日にSP-PZL、-PZM、-PZNと- PZPは登録から外された。SP-PZOは第二次世界大戦前の1939年までトルンポメラニア航空倶楽部で使用された。おそらく他の1機もこの倶楽部で使用されていた。

1939年にJerzy Dąbrowskiは、イスパノ・スイザ製1100 hpのエンジンを搭載しPZL.26の構造を大幅に発展させた高速戦闘機PZL.55の予備設計を行ったが、これは第二次世界大戦のため実現しなかった。

特徴

PZL.26は、金属構造で低翼単葉の通常の形式で、胴体は金属フレームの前部をジュラルミン、後部を羽布で覆っていた。楕円形の翼端をした台形の3分割の後方折畳み式主翼はジュラルミンで覆われ、自動スラットと分割フラップを備えていた。タンデム3座のキャビンは通常の多分割式キャノピーに覆われ、前2席には複式操縦装置を備えていた。尾橇式の固定降着装置の主車輪は流線型のカバーで覆われ、金属製2枚ブレード、主翼内と胴体内の小型燃料タンクを備えていた(180 l)。巡航時の燃料消費率は60 l/hであった。

要目

  • 乗員:1名
  • 乗客:2名(副操縦士/観測員を含む)
  • 全長:7.5 m (24 ft 7.2 in)
  • 全幅:10.42 m (34 ft 2.4 in)
  • 全高:2.09 m (8 ft 0 in)
  • 翼面積:16.34 m² (175.82 ft2)
  • 翼面荷重:48.5 kg/m² ()
  • 空虚重量:560 kg (1,234.8 lb)
  • 全備重量:795 kg (1,752.97 lb)
  • 最大離陸重量:1,005 kg (2,216 lb)
  • 有効積載重量:445 kg (981.23 lb)
  • 馬力重量比:3.2 hp/kg ()
  • エンジン:1 × メナスコ バッカニア(Menasco Buccaneer)B-6 S3 空冷6気筒直列エンジン、265 hp 離昇()
  • 最大速度:298 km/h (185.2 mph)
  • 巡航速度:250 km/h (155.4 mph)
  • 失速速度:<60 km/h (<37.2 mph)
  • 巡航高度:5500 m (18040 ft)
  • 航続距離:800 km (500 miles)
  • 離陸距離:78 m (8 m柵越え)
  • 着陸距離:80 m (8 m柵越えから)

出典

  • Andrzej Glass: Polskie konstrukcje lotnicze 1893-1939 ("Polish aviation designs 1893-1939"), WKiŁ, Warsaw 1977 (Polish language, no ISBN)

関連項目



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