PPAPの提出レベル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 04:32 UTC 版)
「PPAP (自動車工業)」の記事における「PPAPの提出レベル」の解説
PPAPのマニュアルでは、提出する書類の範囲を5つの段階に分け、それを提出レベルとして規定している。それぞれのレベルの書類の提出範囲は以下のようになっている。 レベル1 PSW および AARのみ提出。AARは外観が重要な特性になっている部品にのみ適用される 。 レベル2 製品サンプルとPSW、AAR、寸法検査記録などPPAPのマニュアルに規定された限られた範囲の書類。 レベル3 製品サンプルとPSWを含むPPAPのマニュアルに規定されたすべての書類。 レベル4 PSWと顧客が任意に指定した限られた範囲の書類。製品サンプルの提出の必要も顧客が指定する。 レベル5 製品サンプルとPPAPのマニュアルに規定されたすべての書類、あるいは顧客が任意に指定した書類の点検。これは製造する場所で行う。 レベルによって提出する書類の種類を分けているが、提出しない書類は作成しなくてよいということにはならない。PPAPのマニュアルで指定されている18項目の書類は、顧客に提出しないとしても、サプライヤーが保管し、顧客からの要請があればいつでも閲覧できるようにしておかなければならないことになっている。 PPAPの提出レベルは基本的にはレベル3であるが、SQEは別のレベルを指定することもある。この場合は変更の内容や規模、重要度などを考え併せてSQEが提出レベルを決定し、レベル4の場合は提出書類の種類を決める。OEMの中には、提出レベルを最初から制限しているところもある。例えば、フォードはレベル2とレベル4を使用しない 。フォードはAIAGのマニュアルにある標準のPSWのフォームシートでなく、独自に手を加えたフォームシートを使用しているが、レベル2とレベル4は選ぶことができないようになっている。つまり、PSWのみの提出(レベル1)か、全書類の提出(レベル3:いわゆるフルPPAP)、またはサプライヤーの生産ラインの査察(レベル5:書類を工場で点検する)のどれかから選ぶことになる。 VDAでは、書類の提出レベルを0から3までの四段階に分けている 。承認のためにサプライヤーが行うべきことは概ね同じであるが、提出書類の種類は、AIAGのPPAPと多少の違いがある。例えば、VDAではどのレベルにおいても設計FMEAや工程FMEAや提出しなくてよいことになっている 。
※この「PPAPの提出レベル」の解説は、「PPAP (自動車工業)」の解説の一部です。
「PPAPの提出レベル」を含む「PPAP (自動車工業)」の記事については、「PPAP (自動車工業)」の概要を参照ください。
- PPAPの提出レベルのページへのリンク