海洋温度差発電
英語:Ocean Thermal Energy Conversion
海の深層部の海水と表面に近い海水の温度差を利用した発電方法。
海洋温度差発電は、水深約1000mあたりの温度の低い海水を海水表面までくみ上げ、表面付近の温かい海水との温度差によってエネルギーを発生させる仕組みである。
主に海水の温度差を利用して発電するため、環境に優しいエネルギーとして注目されているほか、太陽光や風力といった他の再生可能エネルギーに比べて、安定したエネルギー供給を行うことができるという利点があるとされている。また、深海の水を利用するため、鉱物資源の調査・開発といった副次的な効果も期待されている。
オテック【OTEC】
読み方:おてっく
《ocean thermal energy conversion》⇒海洋温度差発電
オー‐ティー‐イー‐シー【OTEC】
読み方:おーてぃーいーしー
《ocean thermal energy conversion》⇒海洋温度差発電
海洋温度差発電
(Ocean thermal energy conversion から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/28 08:35 UTC 版)
海洋温度差発電(かいようおんどさはつでん)またはOTEC (英: Ocean Thermal Energy Conversion) は、海洋表層の温水と深海の冷水の温度差を利用して発電を行う仕組みである。深海(水深1000m程)から冷水を海洋表層へ汲み上げ、海洋表層の温水との温度差を利用してエネルギーを取り出す。
- ^ a b “世界初の「海洋温度差発電」 兵庫のベンチャーなど開発 インド沖で来月実験”. 読売新聞 大阪朝刊: p. 26. (2003年1月14日). "兵庫県明石市の環境関連ベンチャー「ゼネシス」と佐賀大学がインド政府と共同開発した世界初の海洋温度差発電の実証施設が完成...。同施設は、長さ七十メートル、幅十六メートルのプラント船で、上原春男・佐賀大学長が開発した「ウエハラ方式」と呼ばれる熱交換器を積んでいる。...海洋温度差発電は、百年以上前に考案されたが、温度差が小さいため効率が悪く、実用化は難しいといわれていた。しかし九四年に上原学長らが、アンモニアに少量の水を混ぜ、タービンを二つ使うことで効率を向上させた。"
- ^ “Partnership to build world's largest OTEC plant off China coast” (英語). Phys.org (2013年4月24日). 2013年7月27日閲覧。
- ^ a b 九州大学 知的財産本部「第3節 成長する大学発ベンチャーのケーススタディ 第3項 その他の技術分野で成長する大学発ベンチャー 2 株式会社ゼネシス」(PDF)『平成16年度文部科学省21世紀型産学連携手法の構築に係るモデルプログラム成果報告書「大学発ベンチャー支援ファンド等の実態調査並びにベンチャー支援のあり方について」 第3章 成長する大学発ベンチャー事例の研究』、九州大学 学術研究・産学官連携本部、2005年3月、62, 65-66、2015年12月12日閲覧“p. 62 : 海洋熱温度差発電...システムでは、海洋の表層部の温海水と深層部の冷海水のわずかな温度差を利用して発電する。OTECの原理そのものは、1891年にフランス人科学者のダンゾルバールが考案していたが、長く実用化には至らなかった。わが国では...上原教授がある画期的な方式を考案したため一気に発電の効率が高まり、実用化への道が拓かれることになった。 pp. 65-66 : ...1970年代までこのランキンサイクルについてのみ研究開発が行われてきたが、当時は熱交換器の性能が悪く、発電の経済性を満足するまでには至らなかった。その後...1973年に佐賀大で実験が開始されたウエハラサイクルでは...熱交換器の性能が飛躍的に向上したため、ランキンサイクルに比べて50~70%も熱効率が上がり、実用的なレベルの効率を持つ発電プラントが実現可能となった。...”
- ^ “【海洋温度差発電】沖縄県、温度差発電実証へ 実海域で検証、世界初”. 47NEWS. 共同通信社 (2012年1月27日). 2012年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月27日閲覧。
- ^ 池上康之「沖縄・久米島から始まった海洋温度差発電の新しいステージ」(PDF)『OTEC Newsletter』、特定非営利活動法人海洋温度差発電推進機構、2014年3月、3-6頁、2015年12月26日閲覧。
- ^ “海洋の温度差で発電 世界で開発競争激しく一定出力強み、実証装置が稼働”. 日本経済新聞. (2013年7月21日) 2013年7月26日閲覧。
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- ^ a b c “沖縄・久米島の海洋温度差発電、今後2年間で効率向上とコスト低下へ”. スマートジャパン. (2013年7月12日) 2013年7月26日閲覧。
- ^ “久米島の海洋温度差発電、実用化へ出力倍増 佐賀大など”. 日本経済新聞. (2016年9月27日) 2020年10月7日閲覧。
- ^ 「海水の温度差使い発電 世界最大級目指し沖縄・久米島で実証実験 商船三井と佐賀大が参画」沖縄タイムスプラス(2022年5月3日)2022年5月27日閲覧
- ^ Vega, Luis A.「Ocean Thermal Energy Conversion (OTEC) : Electricity and Desalinated Water Production」(PDF)、Pacific International Center for High Technology Research (PICHTR。太平洋ハイテクセンター)、 オリジナルの2005年4月7日時点におけるアーカイブ、2006年5月5日閲覧。 (英語)
- ^ “Markets for OTEC” (英語). Ocean Thermal Energy Conversion. National Renewable Energy Laboratory NREL. 2005年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年5月5日閲覧。
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