Nucleus RTOSとは? わかりやすく解説

Nucleus RTOS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/30 01:29 UTC 版)

Nucleus RTOS
開発者 メンター・グラフィックスシーメンスビジネス
OSの系統 RTOSPOSIXTRON
開発状況 開発中
ソースモデル クローズドソース
初版 1993年 (31年前) (1993)
最新安定版 3.x, 2017.02 / 2017年5月15日 (7年前) (2017-05-15)
対象市場 Embedded systems, IoT
使用できる言語 英語
カーネル種別 リアルタイムカーネル
ライセンス プロプライエタリ
ウェブサイト Nucleus
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Nucleus RTOS(ニュークリアス アールティーオーエス) は、米国のソフトウェア企業、メンター・グラフィックス組み込みシステム部門が各種CPUプラットフォーム向けに開発したリアルタイムオペレーティングシステム (RTOS) とツール群である。組み込み用ミドルウェアを含む組み込みソリューションの一部となっている。

開発は Windows または Linux が動作するホストマシンで行われるのが一般的である。各種対象CPUアーキテクチャ上で動作するようクロスコンパイルでき、EDGE SimTest 経由で実際の基板やシミュレータを使ってテストする。

Nucleus RTOS は、家電機器、セットトップボックス携帯電話、その他の携帯機器などの組み込み向けに設計されている。コードとデータを含めて、最低13KBで動作可能である。このメモリ使用量の少なさが重要な長所となっている。

コンポーネント

カーネル
  • リアルタイム・カーネル
  • C++およびPOSIXインタフェース
  • 動的ダウンロード
  • プロセッサ間通信
  • クローズドソース(ただし、購入すればソースコードを入手でき、完全にクローズドなOSよりもデバッグが容易である)
  • ロイヤリティフリー
入出力
ネットワーク
60以上のネットワークドライバとプロトコルを用意(TCP/IP スタックIPv6IEEE 802.11 など)。
ファイルシステム
グラフィックス
  • 低レベルレンダリング
  • 完全なマルチウィンドウシステム
セキュリティ
暗号化、ハッシュ、署名といったアルゴリズム、および鍵交換プロトコル。

Nucleus RTOS を使っている製品

メンター・グラフィックスは、世界中の1000以上の企業にこのソフトウェアを提供している。以下に挙げたものは Nucleus を使った製品のごく一部である。

  • ハネウェルは航空分野における Critical Terrain Awareness Technology に Nucleus RTOS を使っている。
  • IVL Technologies の On-key Karaoke Handheld Player は Nucleus PLUS カーネルを使っている[1]
  • Logitech Pocket Video(ポータブルデジタルビデオカメラ)
  • SKテレコムは韓国初のCDMA技術の商用化にあたって Nucleus RTOS を使用した。
  • NECアメリカの携帯電話 535M
  • ASC の Multi-Service Family [2]
  • テキサス・インスツルメンツも組み込み機器の一部に Nucleus を使っている。
  • Telephonics は米空軍の C-130 アビオニクス近代化プログラムで Nucleus を使った。また、767 Tanker プログラムでの航空通信システムにも使っている[3]
  • Garmin の航空用GPS CNX80[4]
  • モトローラ、サムスン、LG、シーメンス、NEC の携帯電話
  • Intellon HomePlug AV
  • Crestron Electronics の制御システムプロセッサ[5]
  • BSS Audio の Soundweb London シリーズ[6]
  • Creative Zen シリーズの後期モデル
  • AppleiPhone で使われている Infineon S-Gold2 ベースバンドチップ
  • Metrotech i5000 Utility Locating System[7]

競合オペレーティングシステム

  • VxWorks
  • Microsoft Windows CE - Nucleus RTOSと組み合わせて利用されることもある。
  • QNX
  • LynxOS
  • ITRON - ITRONはあくまでも仕様にすぎず、Nucleus RTOSにμITRON仕様準拠のAPIを実装した「Nucleus μiPLUS」が利用されることも多く、両者は単純な競合関係とは言いがたい。
  • μClinuxカーネルのOS

脚注

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