Molmo
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/16 12:11 UTC 版)
Molmo(モルモ)とは、2024年9月25日にアレン人工知能研究所(AI2) がリリースした、オープンソースのマルチモーダルAIモデルファミリーである[1][2]。アリババが開発した大規模言語モデル「Qwen2」及び、AI2の開発したOLMoをベースとして開発された、4つのニューラルネットワークから構成される[2]。
訓練データセットは比較的小規模で、一般的な大規模マルチモーダル言語モデルが何十億の画像やテキストを含むデータセットで訓練される一方、Molmoモデルは60万枚の画像を含む厳選されたデータセットで訓練が行われる[3][4]。
Molmoは、AIモデル開発の民主化に寄与すると評されている[2][5]。例えば野村総合研究所の城田真琴は「これまでであれば、GPT-4oやGemini 1.5 Proなどクローズドソースモデルの性能が圧倒的に高かったが、Llama3.1やMolmoはオープンソースでありながらもクローズドソースモデルに肩を並べており、AIの民主化と技術革新の加速に貢献しているといえる」と指摘しているほか[5]、Y Kobayashiも「Molmoの公開は、AI業界に大きな波紋を投げかけている。Google、OpenAI、Anthropicなどの大手企業が巨額の資金と多数の研究者を投入してAIモデルを開発する中、AI2は比較的小規模なリソースで競争力のあるモデルを作り上げた。これは、AIモデル開発の『民主化』が現実のものとなりつつあることを示している」と述べている[2]。
脚注
- ^ “小型ながらOpenAIやGoogleのAIに匹敵する性能を持つマルチモーダルAI「Molmo」がオープンソースで公開される、ブラウザ版のデモページも - GIGAZINE”. gigazine.net (2024年9月26日). 2025年7月16日閲覧。
- ^ a b c d “GPT-4oを凌ぐオープンソースAIモデル「Molmo」が登場”. xenospectrum.com (2024年9月27日). 2025年7月16日閲覧。
- ^ “720億パラメーターでも「GPT-4o超え」、Ai2のオープンモデル”. MITテクノロジーレビュー. 2025年7月16日閲覧。
- ^ Knight, Will. “The Most Capable Open Source AI Model Yet Could Supercharge AI Agents” (英語). Wired. ISSN 1059-1028 2025年7月16日閲覧。
- ^ a b 城田真琴『生成AI・30の論点 2025-2026』日経BP、2025年、95頁。 ISBN 978-4-296-12165-6。
外部リンク
- Molmoのページへのリンク