LCSHの方針の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/23 06:24 UTC 版)
「米国議会図書館件名標目表」の記事における「LCSHの方針の問題」の解説
これまで、アフリカ系アメリカ人を表す語など、人種や民族を記述するための語を採用する際に議論があった。1990年代まで、LCSHの管理者は件名を変更しないという強い方針を持っていた。この方針は、件名標目が変更された場合に起こりえる重複や混乱を防ぐためのものであった。それゆえ、アフリカ系アメリカ人という主題を表すLCSHは、この語がもはや一般の人々に使われなくなった後もずっと「Afro-American」のままであった。LCSHが図書館利用者のニーズを反映させるために語の変更を認めたのは1996年であった。それにもかかわらず、多くの一般的な語(自然言語による語)はLCSHにおいて使われておらず、利用者による情報資源の発見に悪い影響を与えている可能性がある。図書館情報学 の研究では、LCSHにおいて使われている語に文化的またジェンダー的なバイアスがあり、これらが図書館利用者の情報資源へのアクセスを制限していると指摘している。この分野におけるアメリカの有名な図書館情報学者はサンフォード・バーマン(en:Sanford Berman)である。 性的な主題を持つ情報資源の組織と記述にバイアスがかかっているとの批判もある。異性愛に関する著作にはめったにLCSHが付与されることがなく、利用者に対して、異性愛のほうがノーマルなので同性愛のみが議論に値するといった印象を与えると指摘されている。
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