L型褐色矮星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 19:13 UTC 版)
長年使用されてきた古典的な恒星の分類の中で最も低温なスペクトル型であるM型は、可視光線でのスペクトルが酸化チタン(II) (TiO) と酸化バナジウム(II) (VO) 分子の吸収バンドで占められている。しかし、白色矮星 GD 165(英語版) の低温な伴星である GD 165B は、M型矮星の顕著な特徴である TiO による吸収が見られなかった。その後 GD 165B のような天体が多数発見され、L型 という新しいスペクトル分類が作られた。L型は、可視光線の赤い波長のスペクトルにおいて、TiO と VO の金属酸化物の吸収バンドではなく、金属水素化物 (鉄水素化物 (FeH)、水素化クロム (CrH)、水素化マグネシウム (MgH)、水素化カルシウム (CaH)) の放射バンドと、アルカリ金属の原子の顕著なスペクトル線の存在によって定義される。 2013年の時点では 900 個を超えるL型褐色矮星が、主に 2MASS や DENIS、スローン・デジタル・スカイサーベイといった広視野サーベイによって同定されている。褐色矮星よりも重い質量 (80木星質量以上) を持つが最も低温な主系列の恒星は L2 か L3 のスペクトル型を持つため、このスペクトル型は褐色矮星のみを含むわけではない。
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