ジェリー・マリガンとは? わかりやすく解説

ジェリー・マリガン

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/23 13:45 UTC 版)

ジェリー・マリガン
Gerry Mulligan
ジェリー・マリガン (1992年)
基本情報
出生名 Gerald Joseph Mulligan
生誕 1927年4月6日
出身地 アメリカ合衆国 ニューヨーククイーンズ区
死没 (1996-01-20) 1996年1月20日(68歳没)
アメリカ合衆国 コネチカット州ダリエン
ジャンル ジャズクール・ジャズウエストコースト・ジャズ
職業 ミュージシャン作曲家編曲家
担当楽器 バリトン・サクソフォーンクラリネットピアノ
レーベル パシフィック・ジャズプレスティッジキャピトルA&M
共同作業者 ギル・エヴァンスマイルス・デイヴィス

ジェリー・マリガンGerry Mulligan、本名:ジェラルド・ジョセフ・マリガン、1927年4月6日 - 1996年1月20日)は、アメリカ合衆国出身のジャズミュージシャン、サックス奏者、作曲家編曲家

ジャズ界では数少ないバリトン・サクソフォーン奏者であり、ピアニストとしても知られた。

経歴

左からジェリー・マリガン、スタン・ゲッツアル・コーンズート・シムズ。1966年7月3日、ニューポート・ジャズ・フェスティバルにて。
ジェリー・マリガン(1980年代)
撮影:ウィリアム・ゴットリーブ

ニューヨーククイーンズ区で生まれ、エリー鉄道に勤務していた父の仕事の都合でオハイオ州マリオンに転居する。

1940年代後半からフィラデルフィアで活動を開始、ギル・エヴァンスとの出会いをきっかけにクロード・ソーンヒルのビッグバンドなどのためにアレンジを本格的に手がけるようになり、二十歳そこそこの若さにして、洗練されたモダンなアレンジで、ソフトなダンスバンドであったソーンヒル楽団のスタイル革新に貢献した。

その経験を活かし、1940年代末には、後にアルバム『クールの誕生 (Birth of Cool)』として録音がまとめられたマイルス・デイヴィスのビッグ・コンボに参加、バリトン・サックスでの演奏の他、「ジェル (Jeru) 」「ミロのヴィーナス (Venus De Milo) 」などの作曲などを担当する。そのほか、モダン・ジャズ・ビッグバンドの代表的存在であるスタン・ケントン・オーケストラにも編曲を提供した。

1952年カリフォルニア州に移り、トランペットチェット・ベイカーらとピアノレス・カルテットを結成。わずか1年間の活動であったが、リズム・セクションに鍵盤楽器が必須とされていたジャズの世界においては画期的な出来事であり、この動きがアメリカ西海岸におけるウエストコースト・ジャズの顕在化につながっていくことになる。マリガン・カルテットのデビュー・アルバムである『Gerry Mulligan Quartet』は、「バーニーズ・チューン」などが収められ、大きなヒットとなった。マリガンはウエストコースト・ジャズの中心的人物として西海岸に拠点を置きつつ、ベン・ウェブスターデイヴ・ブルーベックセロニアス・モンクズート・シムズらと交流を深めていった。

1956年、ニューヨークに戻り、セロニアス・モンク等と共演。1958年には、映画『私は死にたくない』に出演している。

1963年にはアート・ファーマーらをメンバーに招き、リーダー作『ナイト・ライツ (Night Lights)』を発表。1950年代のプログレッシブな作品とは異なった静謐なスタイルが貫かれており、彼の代表作となる。ちなみにタイトル曲では、マリガンはピアノを演奏している(後年、CDのボーナス・トラックとして1965年にマリガンがクラリネットを演奏したテイクも収録されている)。

1970年代、当時イタリアを活動拠点にしていたバンドネオン奏者のアストル・ピアソラと意気投合、競演作『Summit』を制作した 。

1980年代に入るとフュージョン色の強い音楽性を指向するようになり、『リトル・ビッグホーン (Little Big Horn)』などのフュージョン・アルバムを発表するようになる。この頃に世界ツアーも行っている。

他に共演者はジーン・クルーパチコ・ハミルトンボブ・ブルックマイヤージーン・クイル等が挙げられる。

1996年1月20日の外傷が元でコネチカット州ダリエンにて死去。68歳没。

ディスコグラフィ

リーダー・アルバム

  • 『マリガン・プレイズ・マリガン』 - Mulligan Plays Mulligan (1951年、Prestige)
  • 『オリジナル・ジェリー・マリガン・カルテット』 - Gerry Mulligan Quartet Volume 1 (1952年、Pacific Jazz)
  • 『リー・コニッツ・プレイズ・ウィズ・ザ・ジェリー・マリガン・カルテット』 - Lee Konitz Plays with the Gerry Mulligan Quartet (1953年、Pacific Jazz) ※with リー・コニッツ
  • 『オリジナル・ジェリー・マリガン・カルテットVol.2』 - Gerry Mulligan Quartet Volume 2 (1953年、Pacific Jazz)
  • 『パリ・コンサート』 - Gerry Mulligan Quartet – Paris Concert (1954年、Vogue) ※ライブ
  • 『パリ・コンサート』 - Paris Concert (1955年、Vogue/Pacific Jazz) ※ライブ
  • 『カリフォルニア・コンサーツ』 - California Concerts (1955年、Pacific Jazz) ※ライブ
  • 『プレゼンティング』 - Presenting the Gerry Mulligan Sextet (1955年、EmArcy)
  • 『メインストリーム・オブ・ジャズ』 - Mainstream of Jazz (1956年、EmArcy)
  • 『ジェリー・マリガン・カルテット・アット・ストーリーヴィル』 - Recorded in Boston at Storyville (1957年、Pacific Jazz) ※ライブ with ボブ・ブルックマイヤー
  • 『テディ・ウィルソン&ジェリー・マリガン&ビル・エヴァンス・アット・ニューポート'57』 - The Teddy Wilson Trio & Gerry Mulligan Quartet with Bob Brookmeyer at Newport (1957年、Verve) ※ライブ
  • 『マリガン・ミーツ・モンク』 - Mulligan Meets Monk (1957年、Riverside) ※with セロニアス・モンク
  • 『ブルース・イン・タイム』 - Blues in Time (1957年、Verve) ※with ポール・デスモンド
  • 『ゲッツ・ミーツ・マリガン・イン・ハイファイ』 - Gerry Mulligan Meets Stan Getz (1957年、Verve) ※『Getz Meets Mulligan in Hi–Fi』として再発 with スタン・ゲッツ
  • 『ア・プロフィール・オブ・ジェリー・マリガン』 - Profil (1958年、Mercury) ※1955年-1956年録音
  • 『ジャズ・ジャイアンツ'58』 - Jazz Giants '58 (1958年、Verve) ※with スタン・ゲッツ、ハリー・エディソン
  • 『ジャズ・コンチェルト・グロッソ』 - Jazz Concerto Grosso (1958年、ABC–Paramount) ※フィル・サンケル作品集 with ボブ・ブルックマイヤー
  • 『ジェリー・マリガン・ソングブック』 - The Gerry Mulligan Songbook (1958年、World Pacific)
  • 『リユニオン・ウィズ・チェット・ベイカー』 - Reunion with Chet Baker (1958年、World Pacific) ※with チェット・ベイカー
  • 『私は死にたくない』 - I Want to Live! (1958年、United Artists) ※サウンドトラック with ジョニー・マンデル
  • 『アニー・ロスは歌う』 - Annie Ross Sings a Song with Mulligan! (1959年、World Pacific) ※with アニー・ロス
  • 『ホワット・イズ・ゼア・トゥ・セイ?』 - What Is There to Say? (1959年、Columbia)
  • 『ジェリー・マリガン・ミーツ・ジョニー・ホッジス』 - Gerry Mulligan Meets Johnny Hodges (1960年、Verve) ※with ジョニー・ホッジス
  • 『マリガン・ミーツ・ウェブスター』 - Gerry Mulligan Meets Ben Webster (1960年、Verve) ※with ベン・ウェブスター
  • 『マリガン・コンサート・ジャズ・バンド』 - The Concert Jazz Band (1960年、Verve)
  • 『ヴィレッジ・ヴァンガードのジェリー・マリガン』 - Gerry Mulligan and the Concert Jazz Band at the Village Vanguard (1961年、Verve) ※ライブ
  • 『ジェリー・マリガン・プレゼンツ・ア・コンサート・イン・ジャズ』 - Gerry Mulligan Presents a Concert in Jazz (1961年、Verve)
  • 『コンサート・ジャズ・バンド・オン・ツアー・ウィズ・ズート・シムズ』 - Gerry Mulligan and the Concert Jazz Band on Tour (1962年、Verve) ※1960年ライブ録音
  • 『ザ・ジェリー・マリガン・クァルテット』 - The Gerry Mulligan Quartet (1962年、Verve)
  • 『ジェル』 - Jeru (1962年、Columbia)
  • 『デスモンド・ミーツ・マリガン』 - Two of a Mind (1962年、RCA Victor) ※with ポール・デスモンド
  • 『スプリング・イズ・スプラング』 - Spring Is Sprung (1963年、Philips)
  • 『ジェリー・マリガン・コンサート・ジャズ・バンド'63』 - Gerry Mulligan '63 (1963年、Verve)
  • 『ナイト・ライツ』 - Night Lights (1963年、Philips)
  • 『バタフライ・ウイズ・ヒカップス』 - Butterfly with Hiccups (1964年、Limelight)
  • 『イフ・ユー・キャント・ビート・エム、ジョイン・エム!』 - If You Can't Beat 'Em, Join 'Em! (1965年、Limelight)
  • 『ジェリー・マリガン・ウィズ・ストリングス』 - Feelin' Good (1965年、Limelight)
  • 『サムシング・ブルー』 - Something Borrowed - Something Blue (1966年、Limelight)
  • 『ブルーベックの復活』 - Compadres (1968年、Columbia) ※ライブ with デイヴ・ブルーベック・トリオ
  • 『ブルース・ルーツ』 - Blues Roots (1968年、Columbia) ※with デイヴ・ブルーベック・トリオ
  • 『ライブ・アット・ザ・ベルリン・フィルハーモニック』 - Live at the Berlin Philharmonie (1972年、Columbia) ※with デイヴ・ブルーベック・トリオ
  • 『エイジ・オブ・スティーム』 - Age of Steam (1972年、A&M)
  • 『サミット』 - Summit (1974年、Erre T.V./Festival) ※with アストル・ピアソラ
  • 『カーネギー・ホール・コンサート』 - Carnegie Hall Concert (1975年、CTI) ※ライブ with チェット・ベイカー
  • 『ミラノ・スケッチ』 - Gerry Mulligan Meets Enrico Intra (1976年、Produttori Associati) ※with エンリーコ・イントラ
  • 『アイドル・ゴシップ』 - Idol Gossip (1976年、Chiaroscuro)
  • The Arranger (1977年、Columbia) ※1946年-1957年録音
  • Holliday with Mulligan (1980年、DRG) ※1961年録音 with ジュディ・ホリデイ
  • 『ウォーク・オン・ザ・ウォーター』 - Walk on the Water (1980年、DRG) ※with ヒズ・オーケストラ
  • 『リトル・ビッグ・ホーン』 - Little Big Horn (1983年、GRP)
  • 『ソフト・ライツ&スウィート・ミュージック』 - Soft Lights and Sweet Music (1986年、Concord) ※with スコット・ハミルトン
  • Symphonic Dreams `Entente' (1987年、PAR) ※ライブ with エリック・カンゼルヒューストン交響楽団
  • 『ロンサム・ブールヴァード』 - Lonesome Boulevard (1990年、A&M)
  • The Gerry Mulligan Quartet/Gerry Mulligan with the Chubby Jackson Big Band (1992年、Original Jazz Classics/Fantasy) ※1950年・1952年録音
  • 『クールの再誕生』 - Re–Birth of the Cool (1992年、GRP)
  • 『パライゾ (ジャズ・ブラジル)』 - Paraiso Jazz Brazil (1993年、Telarc Jazz) ※with ジャニ・ドゥボキ
  • 『ジェリー・マリガン・プレイズ・バラッズ / マイ・ファニー・ヴァレンタイン』 - Dream a Little Dream (1994年、Telarc Jazz) ※旧邦題『プレイズ・バラード~ドリーム・ア・リトル・ドリーム』
  • 『ドラゴンフライ』 - Dragonfly (1995年、Telarc Jazz)
  • Gene Norman Presents the Original Gerry Mulligan Tentet and Quartet (1996年、GNP) ※1954年録音
  • 『ミダス・タッチ~ライヴ・イン・ベルリン』 - Midas Touch: Live in Berlin (2003年、Concord) ※1995年ライブ録音
  • Billy Taylor & Gerry Mulligan: Live at MCG (2007年、MCG Jazz) ※1993年ライブ録音 with ビリー・テイラー

参加アルバム

デイヴ・ブルーベック

  • Brubeck / Mulligan / Cincinnati (1971年、MCA) ※ライブ
  • 『ザ・ラスト・セット・アット・ニューポート』 - The Last Set at Newport (1972年、Atlantic) ※ライブ
  • 『ウィアー・オール・トゥゲザー・アゲイン・フォー・ザ・ファースト・タイム』 - We're All Together Again for the First Time (1973年、Atlantic) ※ライブ

チャールズ・ミンガス

  • 『アンド・フレンズ・イン・コンサート』 - Charles Mingus and Friends in Concert (1977年、Columbia)
  • 『ザ・ユニーク・ザ・ラスト・セッション』 - Lionel Hampton Presents Charles Mingus (1977年、Who's Who in Jazz) ※日本盤は『The Unique』として再発

ビリー・テイラー

  • 『マイ・フェア・レディ・ラヴズ・ジャズ』 - My Fair Lady Loves Jazz (1964年、ABC–Paramount) ※1曲参加
  • 『ドクター・T.~ビリー・テイラー・プレイズ・スタンダーズ』 - Dr. T featuring Gerry Mulligan (1993年、GRP)

その他

参考文献

  • ジャズ批評編集部編 編『ジャズ管楽器 : バリトン・サックス/ソプラノ・サックス/クラリネット/フルート/トロンボーン他』松坂〈ジャズ批評ブックス〉、2002年、26-27頁。ISBN 4-915557-12-X 
  • 『リッスン:ジェリー・マリガン』ジェローム・クリンコウィッツ。

外部リンク





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