G1_(銃)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > G1_(銃)の意味・解説 

G1 (銃)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 16:56 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
G1
種類 アサルトライフル
原開発国 ベルギー
西ドイツ
運用史
配備期間 1956年 - 1959年
配備先 ドイツ連邦軍
諸元
重量 4.325 kg (銃のみ)
全長 1,090 mm
銃身 533 mm

弾丸 7.62x51mm NATO弾
発射速度 650 - 700 発/分
装填方式 20連発箱型弾倉
テンプレートを表示

G1突撃銃(Sturmgewehr G1)は、ベルギー製FN FAL小銃のドイツ連邦共和国西ドイツ)向けモデルとして開発されたアサルトライフルである。

1956年、新設されたドイツ連邦軍における最初の主力歩兵銃として採用された。しかし、国産化が認められなかったこともあり、1959年には後継装備としてG3突撃銃が採用され、1960年代初頭のうちに更新された。連邦軍のほか、機動隊連邦国境警備隊でも使用されていた。FN小銃(FN-Gewehr)とも呼ばれた。

歴史

G1を背負う独米の士官候補生(1960年)

G1の原型となったベルギーFN FAL小銃は、20世紀西側諸国で最も普及したアサルトライフルの1つであり、少なくとも70カ国によって採用された。FALの設計を主導したデュドネ・セイブ英語版技師はSAFN 49英語版の設計にも携わっており、2つの小銃は設計上の類似点が多かった[1]

1955年に発足したドイツ連邦軍では、連合各国からの装備供与が行われていた。小銃はアメリカM1ガーランドM1カービンのほか、空軍訓練連隊ドイツ語版向けにはイギリス/カナダNo.4 Mk I*(大半がカナダ製だったため、カナディアン・ライフルと通称された)などが配備されていた。しかし、1957年に予定された最初の徴兵が実施された場合に火器が不足することは明らかで、また現有の外国製火器は大半が既に旧式化した第二次世界大戦時の主力火器であった。そのため、NATO標準小銃の有力候補と目され、また早期に大量調達が可能とされたFN FALが新たな主力小銃に選ばれたのである(ただし、最終的にNATO標準小銃の決定には至らなかった)[2]

FN社ではG1として引き渡すFAL小銃10万丁に対し、ドイツ側の要望に応じた設計変更を加えている。しかし、第二次世界大戦での経験に基づくドイツへの不信感から、ドイツ国内でのライセンス生産は決して認めなかった[3]。こうして、連邦軍は国産化可能な製品によるG1の更新を検討することとなった。

1957年、連邦軍の新たな主力小銃としてスペインセトメ・ライフルG3突撃銃の原型)を採用する方針が発表された[4]

連邦軍では1959年からG3突撃銃への更新が始まり、G1は1962年頃まで使われていた。余剰となったG1は機動隊連邦国境警備隊に払い下げられたほか、諸外国への売却も行われた[2]

オーストリア連邦軍では、G1にさらなる改良を加えたモデルをStG58として採用している[5]

構造

G1はショートストロークピストン式ティルトボルト式の作動方式を備える自動小銃である。閉鎖バネはピストン部に設けられている。ガス圧を調整する規整子が設けられている。箱型着脱式弾倉には7.62x51mm NATO弾を20発装填することができた。

内部構造をオリジナルのFALと比較すると、新型ファイアリングピンや2ピース式抽出子などが組み込まれている点が主な差異である。外装部品では溝を刻まれた板金製ハンドガード、銃身に直接取り付けられた折畳式二脚が特徴である。二脚は軽量で、着脱にはドライバーが必要だった。また、照準時の頭部被弾率を可能な限り下げようとしたドイツ側の強い要求により、照準位置は3mm低くなっている[5]

銃身には着剣装置が設けられていたが、使われることは少なかった。

運用国

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Günter Wollert, Reiner Lidschun, Wilfried Kopenhagen: Schützenwaffen. (1945–1985). In: Illustrierte Enzyklopädie der Schützenwaffen aus aller Welt. 5. Auflage. Band 1+2. Brandenburgisches Verlagshaus, Berlin 1988, ISBN 3-89488-057-0
  2. ^ a b Das FN-Gewehr - Geschichte”. Kuratoriums zur Förderung historischer Waffensammlungen. 2018年1月9日閲覧。
  3. ^ Five Lesser-Known Facts About the FN FAL”. American Rifleman. 2018年1月9日閲覧。
  4. ^ Waffen, Der Spiegel 37/1957
  5. ^ a b The StG58: Austria's Select Fire FAL”. SmallArmsReview.com. 2018年1月10日閲覧。
  6. ^ The L1A1 and Related FN-FAL Bayonets”. worldbayonets.com. 2022年6月17日閲覧。
  7. ^ Cashner, Bob (2013). The FN FAL Battle Rifle. オックスフォード、イギリス: Osprey Publishing. p. 46. ISBN 978-1-78096-903-9 
  8. ^ Cashner 2013, p. 43.

外部リンク


「G1 (銃)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「G1_(銃)」の関連用語

G1_(銃)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



G1_(銃)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのG1 (銃) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS