犬ジステンパー
別名:イヌジステンパー、ケイナインジステンパー
英語:canine distemper
イヌ科動物をはじめとする肉食獣が罹患するウィルス性疾患。犬ジステンパーウィルスを病原とする。人には感染しない(ズーノーシスではない)。
犬ジステンパーの主な症状は発熱や下痢、皮膚組織の病変などである。発症すると重体に陥りやすく、そのまま死亡に至る場合も少なくない。感染した場合の死亡率は50パーセント以上とも90パーセントとも言われている。
犬ジステンパーは予防接種によりあらかじめ感染を防ぐことが可能である。しかし予防接種の前に感染してしまうと発症を防ぐことはできない。発症後の効果的な治療法は確立されておらず、対症療法しか手立てがないため、病後の見通しはあまり明るくない。
犬ジステンパーはパンダなどにも感染する。2015年1月には、中国陝西省で多数のジャイアントパンダを飼育している施設でパンダが犬ジステンパーに罹患したと報じられた。
関連サイト:
イヌの病気 - 感染症 - 一般社団法人日本臨床獣医学フォーラム
犬ジステンパー
(Canine distemper から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 09:09 UTC 版)
犬ジステンパー(いぬジステンパー、英: Canine distemper)は、犬ジステンパーウイルス(CDV)を原因とするイヌをはじめとしたネコ目(食肉目)の感染症である。ワクチン接種によりイヌでの致死的な感染は減少しているとの報告がある[1]。
- ^ a b c 鈴木絢子, 秋山今日子, 西尾陽平, 田丸精治, 亀尾由紀, 中野仁志, 野口慧多, 寺田豊, 下田宙, 鈴木和男, 渡部孝, 吉澤未来, 後藤慈, 佐藤梓, 池辺祐介, 佐藤宏, 前田健「イヌジステンパーウイルスの最近の流行」『山口獣医学雑誌』第39号、2012年12月、 1-12頁、 ISSN 0388-9335、 NAID 220000138782。
- ^ Blancou J (2004). “Dog distemper: imported into Europe from South America”. Hist Med Vet 29 (2): 35-41. PMID 15376360.
- ^ a b Deem SL, Spelman LH, Yates RA, Montali RJ (2000). “Canine distemper in terrestrial carnivores: a review”. J Zoo Wildl Med 31 (4): 441-451. PMID 11428391.
- ^ Roelke-Parker ME, Munson L, Packer C, et al (1996). “A canine distemper virus epidemic in Serengeti lions (Panthera leo)”. Nature 379 (6564): 441-445. PMID 8559247.
- ^ M. J. G. Appel, et.al,. "Canine distemper virus infection and encephalitis in javelinas (collared peccaries)" Archives of Virology volume 119,p.147–152(1991), doi:10.1007/BF01314331.
- ^ 『動物病理学各論』 p.151
- ^ “カニクイザルのイヌジステンパーウイルスによる感染死亡事例”. 国立感染症研究所 感染症情報センター. 2008年11月27日閲覧。
- ^ a b 浅川満彦「感染症制御における野生動物医学 : 新たな衛生動物を標的にした視点」『衛生動物』第71巻第3号、日本衛生動物学会、2020年、 171-176頁、 doi:10.7601/mez.71.171、 ISSN 0424-7086、 NAID 130007919507。
- 1 犬ジステンパーとは
- 2 犬ジステンパーの概要
- 3 参考文献
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