BBNJに対する脅威
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/20 15:04 UTC 版)
海洋法条約では、慣習国際法上の公海自由の原則が踏襲され、すべての国が公海を自由に使えるとされたが、無制限というわけではない。例えば、海洋法条約第192条ではすべての国に海洋環境を保護する一般的な義務を課しており、第194条5項では「希少又はぜい弱な生態系及び減少しており、脅威にさらされており又は絶滅のおそれのある種その他の海洋生物の生息地を保護し及び保全するために必要な措置」も視野に含まれている。しかし、海洋環境の保護及び保全に関する第12部の第1節(第192条~第196条)は理念的な規定であり、国に特定の権利義務を与えるものではない。 また、公海漁業については海洋法条約第7部第2節(第116条~第120条)の規定に従わなければならない。海洋法条約の規定だけでは、義務の内容が不明確なので、国連公海漁業協定が海洋法条約第118条の義務を厳格化した上で、その義務を履行しない国の公海漁業を制限している。しかし、国連公海漁業協定が公海漁業を制限したとしても、それは国連公海漁業協定の締約国にしか効力は及ばず、非締約国は国連公海漁業協定には拘束されない。 このように公海自由の原則に対する制限は極めて不十分であり、乱獲などの問題につながっている。
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