ArFエキシマレーザリソグラフィ用新規レジスト材料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/28 09:42 UTC 版)
「武智敏」の記事における「ArFエキシマレーザリソグラフィ用新規レジスト材料」の解説
LSIは、リソグラフィ技術を用い、回路パターンをウェハー上のレジストに焼き付けて作られる。しかし、100nm(0.1µm)以下の微細回路パターンのLSI製造には、従来のレジストではArF光の吸収力が強いため、回路パターンを焼き付けることができなかった。そのためArF光で使えるレジストがなく、LSI製造における大きな課題となっていた。 武智は、炭素が環状になった脂環構造である「アダマンチル基」がArF光に透明で、かつレジストに適した材料であることを世界で初めて見出した。「アダマンチル基」の強い疎水性に起因する課題を解決するため、「脱離型アダマンチル基」と「高親水性ラクトン基」を開発し、ArF光に対応した高性能レジストを実現した。開発した技術は1997年頃からレジストメーカーで工業化が開始され、高速・低消費電力の高機能LSIの製造において世界のデファクト技術となった。 現在では、本技術が世界の標準となっており、特許の引用回数も極めて多い。本レジスト材料は、300億円/年以上の市場規模となり、約20兆円の半導体市場のうち、このレジストを用いて生産されるLSIは、年間10兆円規模の市場と推定される。
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