ASMP_(ミサイル)とは? わかりやすく解説

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ASMP (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/19 07:45 UTC 版)

ASMP
種類 空中発射巡航ミサイル
製造国 フランス
製造 アエロスパシアル(現MBDA
フランス原子力委員会
就役 1986年5月
性能諸元
ミサイル直径 350mm
ミサイル全長 5,380mm
ミサイル翼幅 960mm
ミサイル重量 840kg
弾頭 TN80、後にTN81核弾頭TNT300kt/150kt相当)
射程 250km以上
推進方式 ラムジェット+固体燃料ロケット
誘導方式 慣性航法+地形参照
飛翔速度 M3
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ASMPアスンプ)(Air-Sol Moyenne Portée / 中距離空対地ミサイル)は、フランスアエロスパシアル(現MBDA)製の空中発射巡航ミサイルである。核弾頭を搭載し、フランスの核抑止力(Force de frappe)の一翼を担い、全面的な核戦争へ移行する直前の段階で使用される。改良型にASMP-Aがある。

概要

ASMPは、1976年に計画が立てられ、1978年から開発が始められた巡航ミサイルである。ミサイル本体をアエロスパシアル(現MBDA)が、核弾頭をフランス原子力委員会が担当した。

ミサイルの胴体は円筒形で、左右側面に長い箱形のダクトがあり、その先端にラムジェットエンジン用の空気取り入れ口がある。このダクトが揚力を発生するため主翼は必要ない。ダクトの尾部には4枚の操舵フィンが付いている。

推進方式は、特徴的な固体ロケット・ラムジェット統合推進を採用している。これは、固体燃料ロケットモーターとラムジェットエンジンが一体となったものである。ラムジェットエンジンの燃焼室にロケットモーター用の固体燃料が充填されていて、その燃焼によってM2まで加速した後、空になった燃焼室に燃料が吹き込まれて、ラムジェット推進に切り替わる。

誘導方式は慣性航法地形参照の組み合わせである。弾頭熱核爆弾水素爆弾)で、TN80出力100-300kt、その後継のTN81は出力150ktと300ktの選択式である。

1986年よりフランス空軍へ配備され、ミラージュIVAN-22核爆弾を代替し、1988年7月にミラージュ2000Nにも搭載された。1989年からはフランス海軍に配備が開始されて、シュペルエタンダールAN-52核爆弾を代替した。ラファールによる運用も可能とされている。ASMPは90発が生産され、保有数は2000年時点で、空軍が60発(弾頭は42発)、海軍が24発(弾頭は20発)であった。

ASMP-A(Ameliore)は、2000年4月から開発が始められた射程延伸型で、巡航速度が500km/h向上し、射程が500kmに延伸している。2006年1月16日に、ミラージュ2000Nによって最初の試射が行われ、2009年よりミラージュ2000Nに、2010年よりラファールに搭載されている。

2024年時点で、フランス航空宇宙軍フランス海軍でASMP-Aが現役である[1]

参考文献

  • The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024) (英語). The Military Balance 2024. Routledge. ISBN 978-1-032-78004-7 
  • 嶋田久典「ダッソー ミラージュ2000」
  • 青木謙知「軍用機ウエポン・ハンドブック」

関連項目

外部リンク

  1. ^ IISS 2024, p. 91.

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