24時間戦えますかとは? わかりやすく解説

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24時間戦えますか

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/17 22:14 UTC 版)

24時間戦えますか(にじゅうよじかんたたかえますか)は、日本の歴史においての言葉

意味

栄養ドリンクの『リゲイン』のキャッチコピーをきっかけとして流行した言葉である[1]。なお、コピーの正確な表記は「24時間、戦エマスカ。」である[1][2]。この言葉は1989年の自由国民社・第6回新語・流行語大賞で流行語部門・銅賞を受賞している[3]

この言葉は1980年代以降の日本の日本型企業の異常さを示す言葉であった。戦後の日本社会というのは欧米に追いつき負い越せを合言葉にして発展して行き、そして国際統計では頂点に立つことができて、こうなろうともこの志向は変わらずに頂点に立ち付けていた時期の日本で広まった言葉であった。だがそれと同時に当時の日本では多くの過労死が発生して、1988年には弁護士たちが過労死110番を立ち上げると同時に過労死という言葉が広まっていく。そして当時の弁護士たちが推計した年間の過労死というのは約1万人であり、これは交通事故で死亡する人数に匹敵する数字であった。24時間戦えますかという言葉はこのような過労死という異常な出来事が多く発生していた時期の日本で広まった言葉であり、その過労死の元凶である日本の企業の異常さを示す言葉であった[4]

バブル経済絶頂期で昭和の価値観が色濃く残っていた平成初期に流行った言葉であった[5]。だが2018年の日経クロストレンドの記事によると、2018年時点はバブル崩壊からの時代で、働き方改革が叫ばれて、ブラック企業という言葉も存在しており、「24時間戦えますか」というのは死語になったとのこと[6]。「24時間戦えますか」という言葉が広まっていた時代から30年を経てからの日本でも、あの時代と同じように長時間労働が常態化している企業というのはブラック企業という形になっている[7]。この言葉が流行った時代にはワーク・ライフ・バランスという言葉は知られておらず、長時間労働というのは良くないものであるという意識も希薄であった。長時間バリバリ働くのがかっこいいという感覚であったのだが、これは古いものとなっていくのである[8]

脚注

  1. ^ a b 時代の変化に合わせて進化した「令和のRegain」、日経ビジネス電子版 Special- 2025年2月18日閲覧。
  2. ^ 人生100年時代のマーケティング戦略 元気に頑張る人を応援し続けるリゲイン エイジングケアの新商品発売、『宣伝会議』2019年12月号。
  3. ^ 「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞 第6回 1989年 授賞語、自由国民社 - 2025年2月18日閲覧。
  4. ^ 『日本史のエッセンス』有斐閣、1997年11月20日、371頁。 
  5. ^ 日経BOOKプラス (2024年12月19日). “令和の働き方が続くと…昭和人間はひそかに日本の未来を案じている”. 日経BOOKプラス. 2024年12月30日閲覧。
  6. ^ 日経クロストレンド. “「24時間戦う」は死語? 人生100年時代の「リゲイン」誕生”. 日経クロストレンド. 2024年12月30日閲覧。
  7. ^ 「24時間戦えますか?」から30年 平成の日本から“ブラック企業”は減ったのか”. ITmedia ビジネスオンライン. 2024年12月30日閲覧。
  8. ^ 平成の働き方の変化(労働時間編)〜「24時間戦えますか」からプレミアムフライデーまで〜(やつづかえり) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2024年12月30日閲覧。

関連項目




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