2-フェニルフェノールとは? わかりやすく解説

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2‐ヒドロキシビフェニル

分子式C12H10O
その他の名称ダウイシド1、オルトキセノール、2-ビフェニロール、2-ヒドロキシジフェニル、o-ヒドロキシジフェニル、Dowicide 1、Orthoxenol、2-Biphenylol、o-Phenylphenol、2-Hydroxybiphenyl、2-Hydroxydiphenyl、o-Hydroxydiphenyl、[1,1'-Biphenyl]-2-ol、2-Phenylphenol、オルトフェニルフェノールOrthophenylphenol、o-ヒドロキシビフェニル、o-Hydroxybiphenyl、OPP、2-Hydroxy-1,1'-biphenyl、2-Hydroxy[1,1'-biphenyl]、1,1'-Biphenyl-2-ol、Biphenyl-2-ol
体系名:2-ビフェニルオール、2-ヒドロキシ-1,1'-ビフェニル、2-ヒドロキシ[1,1'-ビフェニル]、1,1'-ビフェニル-2-オールビフェニル-2-オール、2-フェニルフェノール、[1,1'-ビフェニル]-2-オール、2-ヒドロキシビフェニル、o-フェニルフェノール


オルトフェニルフェノール

(2-フェニルフェノール から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/01 04:38 UTC 版)

2-フェニルフェノール
Ball-and-stick model of 2-Phenylphenol
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.001.812
EC番号
  • 201-993-5
E番号 E231 (防腐剤)
KEGG
PubChem CID
RTECS number
  • DV5775000
UNII
国連/北米番号 3077
CompTox Dashboard (EPA)
性質
C12H10O
モル質量 170.211 g·mol−1
密度 1.293 g/cm3
融点 55.5 ~ 57.5℃
沸点 280 ~ 284℃
薬理学
D08AE06 (WHO)
危険性
GHS表示:[1]
Warning
H315, H319, H335, H400
P261, P264, P264+P265, P271, P273, P280, P302+P352, P304+P340, P305+P351+P338, P319, P321, P332+P317, P337+P317, P362+P364, P391, P403+P233, P405, P501
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
N verify (what is  N ?)

オルトフェニルフェノール(Orthophenyl phenol、OPPとも。英称2-Phenylphenol)は殺菌剤防カビ剤の一種。

主に柑橘類ポストハーベスト農薬としてビフェニルチアベンダゾール(TBZ)と共に用いられる。結核菌に対して強い殺菌力を持ち30日以上効果が残存するため、病院や介護施設等で感染症発生の際に選択的に使用されることがある。

用途

日本において、農薬としては1955年1月20日に登録を受け1969年2月22日に失効した。食品添加物としては、1977年にオルトフェニルフェノール及びそのナトリウム塩が柑橘類の防カビ用食品添加物として認可を受けた。オルトフェニルフェノールは油脂には溶け水には溶けないためワックス剤に、ナトリウム塩であるオルトフェニルフェノールナトリウムは水には溶け油脂には溶けないため水溶液として使用される。木・竹製割り箸巻き簀などにも、防カビ剤として使用されているケースがある。

認可の経緯

1974年、厚生省(当時。現厚生労働省)は、当時認可を受けていなかったOPP及びTBZ使用と表示されている柑橘類を輸入しないよう警告を出した。1975年4月、農林水産省の技官が保税倉庫中のアメリカグレープフルーツに16.9ppmのOPPを検出、厚生省はその一部を廃棄処分にした。アメリカのマスコミが「日本が太平洋をトム・コリンズにした」と大々的に報じたこともあり、輸入業者及びアメリカ合衆国政府は日本政府に対し、OPPの使用を認めるよう強く要求。日本国内の消費者の強い反対があったが、1977年4月30日に厚生労働省はOPPを食品添加物として認可した。当時のこの経緯は、「日米レモン戦争」と呼ばれた。

アメリカでは食品添加物のポジティブリストには掲載しないため添加物としての使用が禁止されているが、これは本薬剤が農薬(消毒剤)に分類されているためであり、殺菌剤として使用が禁止されているわけではなく、ワックス剤(果実や野菜の貯蔵・流通中に真菌やバクテリアによる腐敗を防ぐための薬剤)として広く使用されている。ワックス剤としては人参0.5%、柑橘類0.8%、きゅうり2.5%、ネクタリン0.2%、桃0.2%、ピーマン2.5%、プラム2%、トマト2.5%、そのほか果物や野菜のための木箱、圃場用の箱、蓋つき大型かご、輸送箱および木製容器には浸漬用の5%液体が使用される(U.S.D.A.1967)。

日本では逆に食品添加物(防カビ剤)として指定されているが、農薬としての使用は認められていない。これは日米間で法規制の枠組みに違いがあるためである。

毒性

  • 一日摂取許容量は体重1kgあたり1mg。食品添加物(防カビ剤)として、柑橘類に10ppmが許可されている。柑橘類以外への使用は日本では禁止されている。発がん性が指摘されており、疎水性のためレモンの輪切りを紅茶に入れる程度では溶解しないが食べるのは避けるべきである。

脚注

  1. ^ 2-Phenylphenol” (英語). pubchem.ncbi.nlm.nih.gov. 2022年9月11日閲覧。

参考文献

外部リンク




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