2-フェニルピリジンとは? わかりやすく解説

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2-フェニルピリジン

分子式C11H9N
その他の名称2-Phenylpyridine、2-Pyridylbenzene、(2-Pyridinyl)benzene
体系名:2-フェニルピリジン、2-ピリジルベンゼン、(2-ピリジニル)ベンゼン


2-フェニルピリジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/09 23:55 UTC 版)

2-フェニルピリジン
識別情報
CAS登録番号 1008-89-5
PubChem 13887
ChemSpider 13286
UNII 2Y6S09838Q 
EC番号 213-763-1
MeSH C058324
特性
化学式 C11H9N
モル質量 155.2 g mol−1
外観 無色油状
密度 1.086 g/mL
沸点

268–270 °C

への溶解度 低い
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2-フェニルピリジンは、示性式C6H5C5H4Nで表わされる有機化合物である。ピリジン上の窒素原子の隣の炭素原子に結合している水素原子が、フェニル基に置換されている。

性質

2-フェニルピリジンの示性式は、C6H5C5H4Nで表され、その分子量は約155.2である。常温常圧では無色の液体として存在し、その密度は1.086 (g/mL) と、水より僅かに重い。ピリジン環は極性を有しているものの、ピリジンとは異なりフェニル基が結合しており、極性溶媒である水への溶解度は低い。

2-フェニルピリジンは配位子としての能力も有している。

合成法

2-フェニルピリジンは、ピリジンにフェニルリチウムを作用させる方法で、合成できる[1]

C6H5Li + C5H5N → C6H5C5H4N + LiH


イリジウムとの化合物

Ir(C6H4-C5H4N)3の構造。このため、この化合物はIr(ppy)3と略記される場合もある。

3分子の2-フェニルピリジンのフェニル基と、イリジウムとを結合させた、Ir(ppy)3は、ピリジン環の窒素がイリジウムに配位結合している。Ir(ppy)3は、何らかの方法で励起させると、強い蛍光を発するため、有機ELの発光体として用いる事も可能である[2]

Ir(ppy)3を合成するためには、まず、三塩化イリジウムを合成し、そこに2-フェニルピリジンを反応させる方法で、合成を開始する[3][4]

4 C6H5-C5H4N + 2 IrCl3(H2O)3 → Ir2Cl2(C6H4-C5H4N)4 + 4 HCl

こうして合成したIr2Cl2(C6H4-C5H4N)4を、さらに反応を進める事によって、Ir(ppy)3が得られる。

脚注

出典

  1. ^ Evans, J. C. W.; Allen, C. F. H. (1938). “2-Phenylpyridine”. Organic Syntheses 18: 70. doi:10.15227/orgsyn.018.0070. 
  2. ^ Eli Zysman-Colman, ed (2017). Iridium(III) in Optoelectronic and Photonics Applications. John Wiley & Sons. ISBN 978-1-119-00713-5 
  3. ^ Lamansky, S.; Djurovich, P.; Murphy, D. et al. (2001). “Synthesis and Characterization of Phosphorescent Cyclometalated Iridium Complexes”. Inorganic Chemistry 40 (7): 1704–1711. doi:10.1021/ic0008969. PMID 11261983. 
  4. ^ Kip A. Teegardin, Jimmie D. Weaver (2018). “Preparation of Fac-Tris(2-Phenylpyridinato) Iridium(III)”. Org. Synth. 95: 29. doi:10.15227/orgsyn.095.0029. 

参考文献

  • Zhou, Guijiang; Wong, Wai-Yeung; Yang, Xiaolong (2011). “New Design Tactics in OLEDs Using Functionalized 2-Phenylpyridine-Type Cyclometalates of Iridium(III) and Platinum(II)”. Chemistry: An Asian Journal 6 (7): 1706–1727. doi:10.1002/asia.201000928. 

関連項目



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