2‐シアノピリジン
2-シアノピリジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/09 07:03 UTC 版)
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| 物質名 | |
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別名
ビリジン-2-カルボニトリル |
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| 識別情報 | |
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3D model (JSmol)
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PubChem CID
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| 性質 | |
| C6H4N2 | |
| モル質量 | 104.11 g·mol−1 |
| 外観 | 白色ないしごく薄い黄色の結晶 |
| 匂い | 特異臭 |
| 融点 | 26℃(凝固点) |
| 沸点 | 225 °C (437 °F; 498 K) |
| 可溶 | |
| 溶媒への溶解度 | クロロホルムに可溶。エーテル、アルコール、ベンゼンに易溶。 |
| 危険性 | |
| 引火点 | 89℃[2] |
| 致死量または濃度 (LD, LC) | |
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半数致死量 LD50
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1000mg/kg(ラット、経口)[3] |
| 関連する物質 | |
| 関連する構造異性体 | 3-シアノピリジン 4-シアノピリジン |
| 関連物質 | 2-メチルピリジン 2-ピコリンアミド |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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2-シアノピリジンは、ピリジンの窒素原子に隣り合った位置にシアノ基が結合した有機化合物である。
生成
製造
2-メチルピリジンとアンモニアを、空気の存在下で気相アンモ酸化することにより得ることができる[5]。
用途
有機合成化学における脱水剤として用いられる。二酸化炭素とジオールからポリカーボネートを直接合成する反応では、酸化セリウム(CeO2)を触媒として、二酸化炭素と1,4-ブタンジオールを130℃で反応させることにより、高収率でポリカーボネートが生成する。この反応で副生する水は、2-シアノピリジンを脱水剤として使用することにより除去され、水和物である2-ピコリンアミドを生じる[6]。2-ピコリンアミドを脱水して2-シアノピリジンに再生することは難易度の高い操作であったが[7]、Na2O/Si2O触媒により再生が可能であると考えられる[6]。
気管支拡張薬の臭化水素酸リミテロールの合成中間体としても重要で、その他の医薬品や染料・顔料の中間体ともなる。アミド化によるタンパク質修飾において、対応するアミド化物の前駆体として作用する[8]。
脚注
- ^ “Propylbenzene”. 東京化成工業 (2022年3月19日). 2025年10月4日閲覧。
- ^ a b “安全データシート 2-シアノピリジン”. 厚生労働省 職場の安全サイト (2011年1月31日). 2025年10月6日閲覧。
- ^ “安全データシート 2-Pyridinecarbonitrile”. シグマ アルドリッチ (2025年5月4日). 2025年10月9日閲覧。
- ^ Alan Rodgman, Thomas A. Perfetti (2016). The Chemical Components of Tobacco and Tobacco Smoke. CRCプレス. p. 751. ISBN 978-1-4665-1552-9
- ^ “Pyridine-2-carbonitrile”. PubChem (2025年9月27日). 2025年10月9日閲覧。
- ^ a b “世界初 二酸化炭素とジオールからの直接ポリカーボネート合成法の開発に成功しました。” (Press release). 東北大学 工学研究科・工学部. 15 April 2016. 2025年10月9日閲覧.
- ^ “科学研究費助成事業 研究成果報告書 分子ー固体表面の直接相互作用による新しい固体触媒活性点の設計・構築” (PDF) (2023年5月31日). 2025年10月9日閲覧。
- ^ “A12900 2-Cyanopyridine, 99%”. Alfa_Aesar. 2019年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月9日閲覧。
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