2期目に向けて
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2008年になるとバローゾは再任について、自らは欧州議会の政治会派次第であると述べたものの、ニコラ・サルコジやシルヴィオ・ベルルスコーニがバローゾ支持を表明するなど、着々と2期目に向けた支持を固めていった。2008年7月19日、バローゾからはじめて再任を模索する発言がなされ、欧州人民党もバローゾの再任を支持した。2009年の欧州議会議員選挙で欧州人民党グループは最大会派の地位を維持したが絶対多数には届かず、バローゾ再任にはほかの会派の支持を取り付けなければならなかった。しかしながら第2会派の欧州社会党系会派(選挙後に社会民主進歩同盟となる)や第3会派の欧州自由民主同盟はバローゾの対立候補を擁立することができなかった。それでもなお社会民主進歩同盟、欧州自由民主同盟、欧州緑グループ・欧州自由連盟による反バローゾの緩やかな「赤・黄・緑」連携が形成され、バローゾから譲歩を引き出そうとした。3会派はバローゾに対して、2期目における政策指針を明確に打ち出し、委員会における主要ポストを自分たちが所属する政党から指名するよう求めた。また3会派はバローゾの任命に関してより影響力を持つために、バローゾの再任についての採決をリスボン条約の発効後まで延期しようとした。 2009年9月10日の各会派による協議において、バローゾは強硬に反対の姿勢を示していた欧州緑グループ・欧州自由連盟に自らの業績を擁護し、今後の政策について満員の委員会室で珍しく活発な議論が交わされた。議論においてバローゾは自らの立場を貫いたが、欧州緑グループ・欧州自由連盟の支持を得ることはできなかった。他方で社会民主進歩同盟や欧州自由民主同盟は反対の姿勢を緩め、とくに欧州自由民主同盟はバローゾが提案した人権担当委員の新設を認めた。9月15日の本会議後に欧州人民党グループと反連邦主義の欧州保守改革グループはバローゾ支持を表明し、欧州自由民主同盟は条件付きの支持を打ち出した。社会民主進歩同盟、欧州緑グループ・欧州自由連盟と欧州懐疑派の自由と民主主義のヨーロッパは不支持を表明し、欧州自由民主同盟の方針転換を批判した。しかしながら採決は秘密投票で行なわれるため、これらの会派は所属議員の投票行動を拘束するのに苦心した。9月16日に実施された採決には718人の議員が参加し、賛成382、反対219、棄権117でバローゾの再任が承認された。
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