2号線_(ポーランド)とは? わかりやすく解説

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2号線 (ポーランド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/02 23:05 UTC 版)

ポーランド国鉄
2号線 (ポーランド)の路線図
路線番号 2
路線総延長 214.227 km
軌間 1,435 mm
電圧 3,000V直流
最高速度 160 km/h

ポーランド国鉄2号線(ポーランド語;Linia kolejowa nr 2)は、ポーランドの首都ワルシャワマゾフシェ県)のワルシャワ中央駅ルブリン県テレスポル駅を結ぶポーランド国鉄の鉄道路線である。全長は214.227 kmであり、全線が複線電化されている。

概要

数多くの国際列車が運行され、3号線と共にEUのトランスヨーロピアン交通ネットワーク英語版のE20号線を構成する路線である。また汎ヨーロッパ回廊の2号線(ベルリン - モスクワ)でもある。現在では大部分の区間で旅客列車は 160 km/h、貨物列車は 120 km/h での運転が可能になっている[1][2]。ワルシャワ - シェドルツェ間には通勤列車も運行されている。

歴史

1908年当時のワルシャワ・テレスポル駅
ワルシャワ中央駅

1795年ポーランド分割の結果、19世紀の大半の時期はロシア帝国の支配下にあり、ポーランド立憲王国と呼ばれていた。これに伴い、1850年代後半にワルシャワモスクワの間に鉄道を建設する計画が具体化されたのが始まりである。

1864年に建設が認可され、1865年に建設が開始された。1866年にワルシャワ - シェドルツェ間が、翌1867年にはテレスポル駅までの全区間が開業した。 4年後にはテレスポルとブレスト・リトフスク の間のブク川に全長5kmの橋が架けられた。 第三次ポーランド分割によりポーランド東部がロシアに支配された結果、ワルシャワ - モスクワ間に鉄道が建設されたのである。

ワルシャワ - テレスポル間の鉄道は1845年に開業したワルシャワ - ウィーン間の鉄道、1862年に開業したワルシャワ・サンクトペテルブルク間の鉄道がに次ぐワルシャワで3番目の鉄道であった。 当初は全区間がロシア帝国領であったため、1520mmの広軌で建設された。この時点ではヴィスワ川右岸のプラガ地区から発着していた。これは当局が戦略上の理由からヴィスワ川に鉄橋を架けることを阻止していたからである。しかしながら、1877年には鉄橋が建設され、ヴィスワ河岸鉄道およびワルシャワ環状鉄道と共に中心部のターミナル駅に乗り入れるようになった。

1891年にはロシア帝国政府により国有化され、ヴィスワ河岸鉄道も編入された。1914年第一次世界大戦開戦後はロシア軍の撤退により鉄道も甚大な被害を受けた。後にドイツ軍により部分的に修復され、同時に標準軌に改軌された。なお、1920年ポーランド・ソビエト戦争の時には再び広軌に改軌された。

大戦後にポーランド第二共和国が独立し、ポーランド全土の鉄道を管轄するポーランド国鉄による運営の下で路線の再建が行われた。1933年にはワルシャワ・テレスポル駅(現:ワルシャワ東駅)とワルシャワ・ウィーン駅跡に建設されたワルシャワ本駅(ポーランド語: Warszawa Główna)を結ぶ 地下線が建設され、1937年にはワルシャワ - ミンスク・マゾビエツキ間が電化された。

1970年代にはポーランド人民共和国の国家的プロジェクトとして、西側の借款でワルシャワ本駅英語版に代わる新駅としてワルシャワ中央駅の建設が開始された。しかしながら、計画は物質的な問題に差し掛かる。駅の設計は革新的であったが、度重なる計画変更と基準を下回る建築水準に悩まされた。建設工事の範囲に関する問題は1975年のソ連レオニード・ブレジネフ書記長のポーランド訪問に間に合わせる事が最優先とされた。工事を急ぎ過ぎた事により設計や建設段階に問題があったため、1980年代を通して修復工事が行われた。自動ドアのみならず、エスカレーターやエレベーターが各ホームに設置され、ポーランドの財政難にもかかわらず当時にしては進んだ設備が導入された[3]。また、第二次世界大戦後にポーランドとソ連の国境となったテレスポル付近の区間はモスクワオリンピックの前年の1979年にソ連領内区間(ブレスト - ヴャジマ)と合わせて電化された。

体制転換後の2000年代に設備の近代化が行われ、旅客列車は160km/h、貨物列車は120km/hでの運行が可能になった。

所要時間

年度 ワルシャワ - シェドルツェ シェドルツェ - ウクフ ウクフ - テレスポル ワルシャワ - テレスポル
普通列車 速達列車 普通列車 速達列車 普通列車 速達列車 普通列車 速達列車
1939 2時間15分 28分 1時間24分 4時間1分
2006/2007 1時間50分 1時間10分 32分 26分 1時間50分 1時間38分 3時間28分
2007/2008 1時間50分 1時間20分 29分 17分 1時間57分 1時間40分 3時間23分
2008/2009 1時間38分 1時間17分 31分 18分 1時間40分 1時間34分 3時間15分
2009/2010 1時間38分 1時間19分 ? ? ? ? 2時間45分
2009/2010 1時間38分 1時間19分 ? ? ? ? 2時間45分
2010/2011 1時間39分 1時間12分 ? ? 1時間35分 1時間08分 2時間49分
2011/2012 1時間39分 1時間16分 27分 17分 1時間36分 1時間10分 2時間52分
2012/2013 1時間40分 1時間18分 27分 18分 1時間36分 1時間14分 2時間57分
2013/2014 1時間36分 1時間16分 28分 18分 1時間37分 1時間15分 2時間50分
2014/2015 1時間32分 1時間08分 28分 18分 1時間32分 1時間02分 3時間36分 2時間33分
2015/2016 1時間35分 1時間05分 25分 13分 1時間22分 56分 2時間20分

列車

普通列車

マゾビエツキ方面の旅客列車はマゾビエツキ鉄道英語版が運行している。車両はEN57形、EN71形、ER75形などが、機関車はEU43形などが用いられる。

国際列車

  • ニース - モスクワ:週1便、ポーランド国内で切符の購入は不可
  • パリ - モスクワ:週3便、ポーランド国内で切符の購入は不可
  • ワルシャワ - モスクワ(ポロネーズ号)
  • ワルシャワ - ミンスク
  • プラハ - モスクワ(ヴルタヴァ号):ウクフ - テレスポル間のみ2号線を経由、ポーランド国内からの乗車も可能、一部車両はウィーンヘプサンクトペテルブルクへも直通する。
  • ワルシャワ - キエフ(キエフエクスプレス):ワルシャワ - マゾビエツキのみ2号線を経由

国内列車

脚注

関連項目

外部リンク


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