1658年の氷上侵攻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/20 15:39 UTC 版)
第一の氷上侵攻は、17世紀の北方戦争を構成する「カール・グスタフ戦争」のうち、第一次戦役 (Dano-Swedish War (1657–1658)) で行われた。 スウェーデン王カール10世はポーランドに侵攻していたが(大洪水時代参照)、1657年にはポーランドからの撤退を余儀なくされた。この機に乗じたデンマーク王フレデリク3世は、スウェーデンに対して宣戦布告を行った。これに対してカール10世はすぐさまポーランドからドイツを経てデンマークに侵攻し、瞬く間にユトランド半島を制圧した。しかし、デンマークの首都コペンハーゲンはシェラン島に位置しており、海峡を越えての進軍は困難であった。カール10世の進軍は止まり、デンマークを屈服させることはできなかった。 折しも1657年から1658年にかけて猛烈な寒波が同地を襲い、大ベルト海峡(ストーラベルト海峡)と小ベルト海峡(リラベルト海峡)が氷結した。カール10世は好機を見逃さず、1658年1月30日朝に小ベルト海峡を越えてフェン島に到達、2月8日には大ベルト海峡を越えてシェラン島に上陸した。氷上侵攻は大成功を収め、スウェーデン軍はコペンハーゲンを包囲した。戦意を喪失したデンマークは、ロスキレ条約を締結。この結果スウェーデンは、北方戦争の事実上の覇者となった。 現代においてもスウェーデン人はこの作戦を誇りとしている。
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