1556年シクスト・ドニーズ版
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「ミシェル・ノストラダムス師の予言集 (1557年)」の記事における「1556年シクスト・ドニーズ版」の解説
16世紀の書誌学者ラ・クロワ・デュ・メーヌは、その書誌でノストラダムスに触れた際に、リヨンのシクスト・ドニーズ(Sixte Denyse)が1556年に出版した予言集に触れている。 シクスト・ドニーズという業者は、リヨン出版史の専門家たちの調査でも確認できていないため、この版の実在性を疑問視する見解もあるが、他方で粗雑な1557年版に先行するオリジナルの増補版と想定されることもあった。例えば、エヴリット・ブライラーは、9月6日版が未発見だった1979年の時点で、11月3日版において第6巻のラテン語詩と第7巻の2篇が省略されているのは、先行する版に比べて判型を小さくしたために入りきらなくなったのだろうと推測した(当時は製本の都合上、ページは16ページ単位で増えた。11月3日版は160ページなので、それをわずかでもオーバーすれば16ページ分増やす羽目になったはずである)。このことから、先行する版はより大きな判型で詩篇が省略されていなかった可能性を指摘した。 現在では、粗雑な11月3日版に先行する増補版として、9月6日版を位置づけることが出来るため(この判型は正にブライラーが想定していたように一回り大きく、詩篇の省略がない)、かつてのドニーズ版実在論の根拠の一つは崩れている。
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