8,9‐デヒドロテアスピロンとは? わかりやすく解説

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8,9‐デヒドロテアスピロン

分子式C13H18O2
その他の名称8-Oxo-2,6,10,10-tetramethyl-1-oxaspiro[4.5]decane-2,6-diene、2,6,10,10-Tetramethyl-1-oxaspiro[4.5]deca-2,6-dien-8-one、8,9-デヒドロテアスピロン、8,9-Dehydrotheaspirone
体系名:8-オキソ-2,6,10,10-テトラメチル-1-オキサスピロ[4.5]デカン-2,6-ジエン、2,6,10,10-テトラメチル-1-オキサスピロ[4.5]デカ-2,6-ジエン-8-オン


8,9-デヒドロテアスピロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/10 04:40 UTC 版)

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8,9-デヒドロテアスピロン
8,9-dehydrotheaspirone[1]
識別情報
CAS登録番号 80722-28-7
PubChem 6428985
特性
化学式 C13H18O2
モル質量 206.28 g mol−1
匂い #構造と香り節を参照
融点

302-303℃[2]

危険性
引火点 258°F[2]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

8,9-デヒドロテアスピロンは、化学式C13H18O2で表されるイソプレノイド系化合物の一種である[3]

生成

藤森嶺により、バーレー種の葉タバコから1981年に初めて発見された。370Kgの葉タバコから5mgの本物質が単離されている。チャの香気成分として既知の物質であるテアスピロンに構造が類似していることから、藤森により8,9-デヒドロテアスピロンと命名された[4]。その構造から、カロテノイド化合物の分解により生じたと考えられている[3]

1990年にはWinterhalterによりワイン、1992年にTakeokaによりネクタリン、1993年にSurburgによりモクセイソウ、1996年にNafによりオレンジ、1997年にD'Areyによりハチミツからも検出され[5]、さらに2000年には塩野香料の研究によりモモの重要な香気成分の一つであることも明らかになった[4]

構造と香り

不斉炭素を一つ持つことから、立体異性体が二つ存在する。S体は「フローラルフルーティな香気」、R体は「ウッディで清涼感のある香気」と表現される。モモから単離されたものはS体:R体の比率が10:1であった。藤森がタバコから単離した際には「花様の香気を含むウッディな香気」と表現しており、S体・R体の混合体と考えられる[6]

本物質は、香料として利用されている[7]

脚注

  1. ^ 8,9-デヒドロテアスピロン”. J-GLOBAL. 2020年3月8日閲覧。
  2. ^ a b 8,9-DEHYDROTHEASPIRONE”. parchem.com. 2020年3月10日閲覧。
  3. ^ a b (藤森 2009, p. 24)
  4. ^ a b (藤森 2009, pp. 21-23)
  5. ^ (藤森 2009, p. 25)
  6. ^ (藤森 2009, pp. 23-24)
  7. ^ 香料化合物使用実態一覧表(ケトン類)”. 厚生労働省. 2020年3月10日閲覧。

参考文献

関連項目



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