鳥栖市会社員殺害事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/27 06:48 UTC 版)
鳥栖市会社員殺害事件 | |
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正式名称 | 鳥栖市飯田町における男性会社員殺人事件 |
場所 |
![]() |
標的 | 会社員の男性(当時24歳)[2] |
日付 |
2004年(平成16年)2月9日[1] 午前10時頃 (UTC+9) |
概要 | 何者かが車内で仮眠中の男性を鈍器で殴打して殺害し、財布と携帯電話を盗んだ[1][2][3][4]。 |
攻撃手段 | 鈍器で殴打[1][2] |
攻撃側人数 | 不明 |
武器 | 鈍器[1] |
死亡者 | 1人[2] |
損害 | 財布と携帯電話 |
犯人 | 不明 |
容疑 | 殺人[1](強盗殺人の可能性も有り[5]) |
動機 | 不明 |
対処 | 佐賀県警察刑事部捜査第一課と鳥栖警察署捜査本部が捜査中[1][2] |
遺族会 | 殺人事件被害者遺族の会(宙の会)[6] |
管轄 |
鳥栖市会社員殺害事件(とすしかいしゃいんさつがいじけん)は、2004年(平成16年)2月に佐賀県鳥栖市で発生した事件である。捜査特別報奨金制度の対象事件となったこともあり、遺族も私的懸賞金を掛けていたが、現在はいずれも打ち切られている[7][8]。
被疑者は現在も逃走中で逮捕されておらず、現在も未解決事件となっている。
概要
2004年(平成16年)2月9日午前10時頃、鳥栖市飯田町の九州自動車道沿いの市道で側溝に脱輪した軽自動車の助手席でこの軽自動車を所有する福岡県三井郡大刀洗町在住の会社員の男性(当時24歳)が血を流して倒れているのを、被害者を探していた母親が発見した[9]。
被害者は8日正午ごろ、家族には何も言わずに軽乗用車で外出した[9]。同日午後、被害者と会ったという知人もいる[9]。同日は帰宅せず、9日朝に被害者が勤務している福岡県久留米市内の会社から「無断欠勤している」と自宅に電話があり、被害者の母親が被害者の友人と連絡を取りながら捜しているうちに発見したという[9]。現場は鳥栖市と福岡県小郡市の県境近くで、九州自動車道沿いの幅約4-5メートルの市道。男性は休日などに鳥栖市内に行くときによくこの道を通っていたという[9]。
捜査経過
佐賀県警察刑事部捜査第一課は現場の状況から殺人事件と断定し、鳥栖警察署に捜査本部を設置して捜査を開始した[10]。
発見時、被害者は助手席に座った状態で頭に黒いビニール袋を被せられており、顔面には鈍器で複数回殴られた跡があった[11][12]。また、軽自動車は左前部の車輪が側溝にはまった状態で見つかったが、車体に目立った損傷はなかった[9]。
運転席や助手席には被害者の血痕が付着していたが、大量ではなかったため、別の場所で殺害した後、発見現場に運んだと見られる[13]。
司法解剖の結果、死因は頭部打撲による脳挫傷[11]で、鈍器のようなもので頭を数回殴られており、ほぼ即死状態であった[11]。また、車から被害者の財布と携帯電話が持ち去られていたため、佐賀県警察は強盗殺人の可能性もあると見ている[14]。一方、発見現場付近ではシンナーや覚醒剤常習者が屯していることから、人間関係のトラブルに起因する怨恨の可能性もあると見て捜査を継続している[13][12]。
2008年(平成20年)2月1日に警察庁捜査特別報奨金対象事件となったが有力な情報が得られず、その後は対象から外されている[15][16]。これとは別に遺族による私的懸賞金が掛けられていたが、有力情報がほとんど寄せられなかったため、事件発生から9年後の2013年2月8日に打ち切られている[17]。
懸賞金を打ち切った後も鳥栖警察署捜査本部は20人態勢で捜査を継続し、情報提供を呼びかけている[18][19]。
脚注
出典
- ^ a b c d e f g 『朝日新聞』2020年2月13日 朝刊 福岡・1地方 23頁「事件の情報提供、鳥栖署など訴え 大刀洗の会社員殺害16年 /福岡県」(朝日新聞西部本社)
- ^ a b c d e 『読売新聞』2025年2月11日 佐賀 西部朝刊 佐賀21頁「会社員殺害21年 犯人逮捕へ情報提供を アウトレットで呼びかけ=佐賀」(読売新聞西部本社)
- ^ 『毎日新聞』2004年2月11日 西部朝刊 社会面23頁「乗用車から財布なくなる--佐賀・鳥栖の他殺体」(毎日新聞西部本社)
- ^ 『朝日新聞』2004年2月12日 朝刊 1社会27頁「財布・携帯を盗む? 遺体運ぶ途中脱輪か 鳥栖の殺人事件【西部】」(朝日新聞西部本社)
- ^ 『読売新聞』2004年2月8日 全国版 西部夕刊 夕社会7頁「鳥栖・男性殺害事件 財布見つからず/福岡県警」(読売新聞西部本社)
- ^ 『毎日新聞』2009年3月1日 西部朝刊 政治面1頁「時効:撤廃へ遺族会結成 逃げ得許さぬ」(毎日新聞西部本社)
- ^ 『朝日新聞』2008年2月8日 朝刊 佐賀全県・1地方 23頁「遺族、情報提供呼びかけ 04年鳥栖の殺人 /佐賀県」(朝日新聞西部本社)
- ^ 『朝日新聞』2013年2月10日 朝刊 佐賀全県・1地方 29頁「鳥栖の殺人事件、情報提供求めチラシ 遺族、懸賞金打ち切る /佐賀県」(朝日新聞西部本社)
- ^ a b c d e f 「脱輪車内に男性遺体 鳥栖の市道で福岡の会社員 外傷、殺人の疑い」『西日本新聞』西日本新聞社、2004年2月10日。オリジナルの2004年4月9日時点におけるアーカイブ。2024年11月8日閲覧。
- ^ 『朝日新聞』2004年2月10日 朝刊 1社会39頁「脱輪車内に他殺体 福岡の男性、殴打跡 佐賀・鳥栖【西部】」(朝日新聞西部本社)
- ^ a b c 「鳥栖・男性遺体 鈍器で頭殴られる 殺人と断定 強盗の可能性」『西日本新聞』西日本新聞社、2004年2月11日。オリジナルの2004年4月30日時点におけるアーカイブ。2024年11月8日閲覧。
- ^ a b 『読売新聞』2006年2月8日 佐賀 西部朝刊 二佐賀33頁「鳥栖路上殺人から2年・・・見えぬ糸口 「情報を」遺族悲痛=佐賀」(読売新聞西部本社)
- ^ a b 『読売新聞』2004年3月8日 佐賀 西部朝刊 佐賀36頁「鳥栖・他殺体発見から1か月 被害者の足取りつかめず 県警「行きずり」=佐賀」(読売新聞西部本社)
- ^ 「鳥栖・男性殺害 鈍器で頭殴られる 県警調べ 財布不明、強盗殺人か」『西日本新聞』西日本新聞社、2004年2月13日。オリジナルの2004年2月13日時点におけるアーカイブ。2024年11月8日閲覧。
- ^ 『読売新聞』2008年2月8日 全国版 西部朝刊 西3社29頁「鳥栖の会社員殺害 犯人情報に懸賞金 警察庁制度適用/佐賀県警」(読売新聞西部本社)
- ^ 『読売新聞』2009年1月24日 佐賀 西部朝刊 佐賀31頁「鳥栖の会社員殺害事件 来月6日で公的懸賞金適用切れへ=佐賀」(読売新聞西部本社)
- ^ 『読売新聞』2013年1月25日 佐賀 西部朝刊 佐賀27頁「鳥栖・会社員殺害 遺族、懸賞金打ち切りへ 来月で9年、有力情報なく=佐賀」(読売新聞西部本社)
- ^ 『朝日新聞』2015年2月10日 朝刊 佐賀全県・1地方 31頁「鳥栖・会社員殺害、情報提供呼びかけ 発生から11年 /佐賀県」(朝日新聞西部本社)
- ^ 『朝日新聞』2016年2月13日 朝刊 佐賀全県・1地方 23頁「飯田町殺人12年、情報提供求める 県警、JR鳥栖駅前で /佐賀県」(朝日新聞西部本社)
関連項目
- 未解決事件
- 殺人事件被害者遺族の会(宙の会)
外部リンク
- 飯田町殺人事件捜査に御協力を! - 佐賀県警察
- 鳥栖市飯田町における男性会社員殺人事件 - 指名手配.jp
固有名詞の分類
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