魔女キルケーの住む島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 02:23 UTC 版)
「オデュッセウス」の記事における「魔女キルケーの住む島」の解説
多くの部下を失ったオデュッセウスは、イタリア西海岸にあるアイアイエー島へと立ち寄った。この島には魔女キルケーの館があり、強力な魔力を誇る彼女が支配していた。キルケーは妖艶な美女であり、美しい声で男を館に招き入れては、その魔法で動物に変身させていた。偵察に出掛けたオデュッセウスの部下も例外ではなく、オデュッセウスは部下の救出に向かわねばならなかった。その途中でヘルメスから魔法を無効化する薬(モーリュと呼ばれ、花は乳白色、根は漆黒の薬草で、人間には掘り当てることが難しい魔法の薬草であった)を授かり、それを飲んでキルケーの館へと臨んだ。 キルケーはキュケオンという飲み物と恐るべき薬を調合してオデュッセウスに差し出し、彼を動物へと変貌させようとしたが、モーリュの効力により魔法は全て無効化され、動物へと変身することはなかった。魔法の効かないオデュッセウスに驚き、好意を抱いたキルケーは、動物に変じていた部下たちを元の姿に戻し、侍女たちに食事や酒を用意させて心から歓待した。疲れ切っていたオデュッセウス一行もそれを受け入れ、約一年の間この島に留まることとなった。 一年後、故国イタケへの思いが再び起こり、オデュッセウス一行は旅立つことを決意した。キルケーは悲しんだが、強い思いを持つ彼らを送り出すことにした。その際、「冥界にいるテイレシアスという預言者の亡霊と話すように」と助言した。また、冥界へと行く方法も伝授した。
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