香川景継とは? わかりやすく解説

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宣阿

(香川景継 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/25 04:14 UTC 版)

 
香川景継
時代 江戸時代中期
生誕 正保4年(1647年
死没 享保20年9月22日1735年11月6日
改名 景継→宣阿
別名 三十郎、吉助、木工允、隣善、一枝軒、淵龍、梅月堂
墓所 京都市左京区東大路通二条下ル北門前町 聞名寺
主君 吉川広嘉広紀徳大寺家
周防国岩国領
氏族 香川氏
父母 父:香川正矩 
兄弟 正経、景継
景新
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宣阿(せんあ、正保4年(1647年)- )は、江戸時代中期の武士、歌人。諱は景継(かげつぐ[1][2]。通称は三十郎・吉助・木工允[1]。号は隣善・一枝軒・淵竜[1]、歌号は梅月堂宣阿[1]、法号は堯真[1]

略歴

周防国岩国に、吉川家家老の香川正矩の次男として生まれる[1]延宝元年(1673年)、京都に上京する[1]。これ以降、約15年ほど京都文壇の儒学者として活動する[1]

貞享4年(1687年)2月、突如として出家し、時宗の僧侶となる[1]清水谷実業三条西家一門)・中院通茂武者小路実陰といった堂上歌人の指導を受け[3][4]二条派地下歌人として、京都梅月堂香川家始祖として認められた[4]。一条烏丸の西入町に本拠を構えた[5]

元禄8年(1695年)に詠んだ「山々はまだ明けぬ夜の雲の上に白きを見れば雪の不二のね」の和歌が霊元院の目に留まり、「一条の今西行」と評された[4][5]

歌集に『水雲集』があり[4]、当時の上方地下歌人としては突出した存在だった[4]

また、『陰徳太平記』の著者として有名である。同書の原典である『陰徳記』は、宣阿の父 香川正矩が執筆していたものである。父の遺志を継いだ景継は、京都に遊学した後も執筆を続け、享保元年(1716年)9月10日出版許可、享保2年(1717年)に出版となった[6][注釈 1]

著作

  • 『陰徳記自序』
  • 『陰徳太平記』
  • 『草庵和歌集蒙求諺解』
  • 『水雲集』

脚注

注釈

  1. ^ 元禄8年(1695年)景継は『陰徳記自序』を書いており、この頃に『陰徳太平記』の完成、宝永3年(1706年)出版許可、正徳2年(1712年)出版に至った[2]とされてきたが、以降も草稿の検討が引き続き行われていることから妥当ではないとされる。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 神作研一「初代梅月堂香川宣阿のこと」『近世文藝』第57巻、日本近世文学会、1993年、23-36頁、doi:10.20815/kinseibungei.57.0_23 
  2. ^ a b 兼清 1988, pp. 15.
  3. ^ 神作研一「初代梅月堂香川宣阿のこと : 堂上と地下の問題を中心に」『上智大学国文学論集』第26巻、上智大学国文学会、1993年1月、153-174頁。 
  4. ^ a b c d e 神作研一『ブックレット〈書物を開く〉34 江戸の通信添削』平凡社、2025年3月、52-53頁。 
  5. ^ a b 兼清 1988, pp. 16.
  6. ^ 山本洋「『陰徳太平記』の成立事情と吉川家の家格宣伝活動」『山口県地方史研究』93号、2005年。 /所収:光成 2016

参考資料

  • 笹川祥生・松田修『正徳二年板本 陰徳太平記』
  • 渡辺隆一『歌人梅月堂宣阿』
  • 神作研一「初代梅月堂香川宣阿のこと」『上智大学国文学論集』26号、上智大学国文学会、1993年1月
  • 兼清正徳『香川景樹』(吉川弘文館〈人物叢書〉、1988年。ISBN 4-642-05131-7 
  • 光成準治 編『吉川広家』戎光祥出版〈シリーズ・織豊大名の研究 第四巻〉、2016年。 ISBN 978-4-86403-215-5 

関連項目




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