類以種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 15:19 UTC 版)
オオムラサキアンズタケは外観や色調がよく似ており、これとラッパタケとを同一種とする見解もある。原記載(愛知県瀬戸市産の標本にもとづく)では、前者の胞子は無色・平滑で大きさ9.0-9.5×4.6-6.0μmである(同様に「無色・平滑で大きさ10-12×4-6μm」、あるいは「楕円形で無色・平滑、大きさ6-11×5μm:胞子紋はクリーム色」とする文献もある)とされているが、この所見は、オオムラサキアンズタケが置かれたラッパタケ科(Gomphaceae)の定義と矛盾している。さらに、これらの記述とは別に、オオムラサキアンズタケの胞子について「広卵形で微小な疣に覆われる」と明記した上で、ミトコンドリアの subsmall unit ならびに atp6領域、および核の large sub unit ならびに ITS 領域を用いて分子系統解析を行い、その結果として、オオムラサキアンズタケはラッパタケに極めて近縁な種であり,狭義のGomphus属に含まれるとした報告もなされている。 同様に子実体が青紫色系の色調を呈するムラサキウスタケ(Cantharellus violaceus Iwade)は、樺太のエゾマツ・トドマツ林内で見出されたのみで再度の記録がない種である。原記載においては、その胞子は無色・平滑(大きさ 8.5-9.0×5.0-6.0μm)であると記載されているが、子実体の肉眼的形質の記述やそれに附された原色写生図からはオオムラサキアンズタケの未熟品ではないかとも考え得る。 北アメリカに産するPseudocraterellus pseudoclavatus (A. H. Sm. apud Sm. &Morse) R. H. Petersen(=Craterellus pseudoclavatus A. H. Sm. apud Sm. & Morse)は、外観がラッパタケに酷似するが、胞子が平滑であること・菌糸の隔壁部にクランプを欠くこと・菌糸が多数の二次隔壁を有することなどにおいて異っている。
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