露草色・花色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/16 17:14 UTC 版)
露草本来の色である露草色(つゆくさいろ)も色名として定義されている。本来は縹色と同義であるはずだが、縹色がより一般的に青色系統の呼称とされたために、現在では露草色はより淡く鮮やかな青色となっている。千草・月草も露草の別名であることから、千草色(ちぐさいろ)あるいは月草色(つきくさいろ)もこちらの色をさすと考えたほうが自然である。 花色(はないろ)もまた縹色および露草色と同じ由来を持つ。花色という名前はもともと縹色の別表記「花田色」が省略されたものであり、花はツユクサを示す。すなわち本来はツユクサの花の色を表しており、縹色とまったく同じ色を表していたと思われる。現在でも縹色と同一視する場合もあるが、時代を経るなかで縹色よりもやや紫みの強い色をさすことが多くなった。江戸時代に着物の裏地として用いられた木綿の藍染のことを一般に花色と称しており、用途によって色名が区別されていったことが考えられる。 ただし、本来の定義を離れて花色という用語自体はさらに広く用いられる。強い赤みの色から淡いピンク、あるいは黄色系統など、およそ花の色に存在しうる色ならば使用される可能性がある。これは単に「花の色」という意味に用いられるからであり、また日本人にとって花というと桜が連想されるように、青色の花という存在があまり一般的でない事情にもよる。
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