闡提成仏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 05:47 UTC 版)
このように、『大乗涅槃経』の前半部では一闡提は成仏しない者とされるが、「『大乗涅槃経』後半部になって一闡提でも仏性は有るので成仏できる可能性はあり、その救済の可能性を最終的に説いている。」 竺道生は、いまだ法顕訳の『泥洹経』(『涅槃経』の前半部)しか伝わっていなかった頃、そこに説かれていた「一切衆生悉有仏性」(一切の生きとし生けるものはことごとく仏と成ることができる性質がある)という経文にインスパイアされ、一闡提の成仏を先んじて説いたが、他の学僧から認められず排斥され蘇州の虎丘寺に流された。そこで道生は、山川の石に向かって闡提成仏の義を唱えるや石が首肯(くびをうなずいて)し、飛び上がって喜んだという伝説がある。しかして後に曇無讖訳の『北本涅槃経』(後半部)が伝えられるや、そこに闡提の成仏が説かれていたことから、道生の先見の明に学僧衆が皆感嘆したといわれる。
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