閉集合の基
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/30 22:29 UTC 版)
「基底 (位相空間論)」の記事における「閉集合の基」の解説
空間の位相を記述することについては、閉集合も開集合と同等の能力を有する。それゆえに、位相空間の閉集合に対しても、開基と双対的な基底の概念というものが存在する。与えられた位相空間 X に対し、X の閉集合の基底(閉集合基、閉基)とは、閉集合族 F で、任意の閉集合 A が F の元の交わりとなるようなものを言う。 言い換えれば、与えられた閉集合族 F が閉基を成すのは、各閉集合 A と A に属さぬ各点 x に対し、A を含み x を含まぬような F の元が存在するときである。 F が X の閉基であるための必要十分条件が「F の元の補集合全体からなる族が X の開基となること」であることを確かめるのは容易である。 F を X の閉基とすると ∩F = ∅ F の各元 F1, F2 に対してその合併 F1 ∪ F2 は F のある部分族の交わりに書ける(即ち、F1 にも F2 にも含まれない任意の x に対し、F の元 F3 で F1 ∪ F2 を含むが x を含まない者が存在する)。 が成り立つ。集合 X の部分集合族でこの二条件を満たすようなものは、X 上のある位相の閉基を成す。この位相に関する閉集合の全体は、F の元の交わりとして書けるもの全体にまったく一致する。 場合によっては開基よりも閉基を考えたほうが有効であることもある。例えば、空間が完全正則であるための必要十分条件は、その上の函数の零点集合の全体が閉基を成すことである。任意の位相空間 X について、その上の函数の零点集合の全体は、X 上の何らかの位相の閉基を成す。この位相は、もともとの位相よりも粗い X のうちで最も細かい完全正則位相である。同様の流れで、アフィン空間 An 上のザリスキー位相は多項式函数の零点集合を閉基として定義される。
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