閉集合の性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 03:49 UTC 版)
閉集合は自身の境界を全く含む。これは、閉集合の「外部」から任意の方向に小さく動いてもまだ集合の外側にいるということを意味している。このことは境界が空集合であるときにも満足されることに注意する。例えば、有理数全体が通常のユークリッド距離に関してなす距離空間で、平方が 2 よりも小さい数全体の成す部分集合を考えればよい。 閉集合の任意の交わりは(無限個の交わりでも)閉集合である。 閉集合の有限個の合併は閉集合である。 空集合は閉集合である。 全体集合は閉集合である。 実は、集合 X と X の部分集合族 ℱ でこれらの性質を満足するものが与えられたとき、ℱ を閉集合系とする X 上の位相が一意に定まる。閉集合が上記の交叉性質を持つことは、空間 X における部分集合 A の閉包(A を含む X の閉集合の中で最小のもの)を定義するのに利用できる。具体的には、A の閉包は、A を含む閉集合すべての交わりとして構成することができる。 閉集合からなる可算集合族の合併として構成することができる集合は、Fσ-集合であると言う。Fσ-集合は必ずしも閉でない。
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