金属薬莢式への改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 17:36 UTC 版)
フランス最大のライバルだったイギリスは、シャスポー銃が採用される以前から金属薬莢の利用を進めており、普仏戦争に勝利したドイツ帝国も国内で供給できる金属材料だけで製造できる金属薬莢を使用するモーゼル1871ライフルを採用すると、敗戦国のフランスもこれに追随してシャスポー銃を金属薬莢式に改造するための11mmx59.5R (11mm French Gras) 弾を採用し、グラース銃 (fusil Modèle 1866/74) として採用した。グラース銃には弾倉を追加して連発式としたタイプも少数製造された事が確認されている。 紙製薬莢を使用する最後の軍用銃としては8年余の短命に終わったシャスポー銃だったが、グラース銃に改造されて以降は1874年から1945年までの70年間に渡ってフランス本国と植民地で使用され続け、シャスポー銃の基本構造がいかに先進的で優れていたかを証明している。 なおシャスポー銃に限らず、当時のフランス製銃器には白みがき(鋼を酸化皮膜(=いわゆる黒錆)で保護しない)という共通した表面処理が行われていた。これは見た目の優美さや威容はともかく、戦場ではキラキラと輝きすぎて敵軍に発見されやすいうえ、強力な腐食力を持つ黒色火薬や苛酷な自然環境ですぐに発生してしまう赤錆による劣化との闘いをフランス軍の兵士たちは強いられ続けた。
※この「金属薬莢式への改造」の解説は、「シャスポー銃」の解説の一部です。
「金属薬莢式への改造」を含む「シャスポー銃」の記事については、「シャスポー銃」の概要を参照ください。
- 金属薬莢式への改造のページへのリンク